バイクに乗っていると、色々なことを言われます。耳にタコができるほど聞いている言葉が「バイクは危険だから乗らない方がいいよ」です。
■オートバイは危険な乗り物なのか?
そういう人はバイクに乗ったことがないというケースが大半です。確かに、オートバイは2輪で安定性のない乗り物です。クルマより、事故を起こしたときの自分自身へのダメージは大きいでしょう。最悪の場合、骨折どころか死亡します。
車の免許を取得して3年間、乗ってみて解ったことがあります。車も充分に危険な乗り物です。バイクよりも死角があり、ボディサイズが比較にならないほど大きいです。軽であっても自転車や歩行者に当ててしまう恐怖が常にありました。
しかし、車の場合はぶつかったとしてもボディが守ってくれます。タカタ問題で話題になってしまったエアバッグですが、作動した場合の安全性はバイクと比較になりません。最近では衝突安全性を突き詰めた車が増えてきて、万一事故を起こした場合のダメージが減少しつつあります。
問題は、相手に与えてしまうダメージです。バイクの車重と比較して車の車体は重いです。簡単に計算するとバイクの120~270kg(一般的なサイズのバイク)に対して、700~2,000kg(乗用車の場合)といった比較にならないほどの重量です。速度と掛け合わせると衝突エネルギーは、バイクの比ではありません。
実際に事故を起こしてしまった場合、歩行者や自転車に対してダメージが大きいのは車なのです。僕も昔、自転車に乗っているときに車にぶつけられたことがありました。そのとき、右肩にひびが入ってしまいました。
バイクは車体の幅が狭く、当てる心配は少ない乗り物です。駐車場や駐輪スペースにも気軽に駐停車できるメリットがあります。安全に走行した場合、自分から事故を起こす確率はバイクの方が少ないです。もちろん公道で無茶な運転をしているバイクは別です。
※まとめてみるとこんな感じです。
- バイクは他者に対してのダメージは車より小さく当てる可能性が少ない
- 車は他者に対するダメージが大きく当てる可能性が高い
- バイクは自分に対するダメージが大きく死亡する確率が高い
- 車は自分に対するダメージが小さくバイクよりも死亡する確率は低い
車は接触事故のリスクが高く、怪我や死亡リスクは低いです。バイクは接触事故のリスクが低く、怪我や死亡のリスクは高いということです。
こういったことを踏まえて、公道で長い間、無事故、無転倒の僕が心がけていることを書いていきたいと思っています。
■リスクを避ける運転とは?
事故を起こす確率は誰にでもあります。どんなにうまいライダーでも、もらい事故というのはありますし、不注意で起こしてしまう場合もあるでしょう。
しかし、確率論として普段から安全運転をしていれば、事故を起こすリスクを減らすことができます。死亡事故や、事故に巻き込まれるケース以外に自分から事故をしないための対策はできるのです。
- 接触を回避する
- 交通標識は必ず守る
- 停車を意識する
- すり抜けは最小限に
- 技量を把握し無理はしない
一番大切なことは、バイクはバランスを崩せば転倒する乗り物だということです。ですので、1の「接触を回避する」は必須の項目だと思います。狭い道路や、制限速度の低い歩行者との距離が近い場合は、必ず速度を落として走ることが重要です。
特に子供の場合は、大人よりも予想外の行動に出ることが多いです。ですので、子供の横を通過して追い越す場合は、普段以上に気を使うことです。
次に2の「交通標識を守ること」です。一時停止や、速度標記、一方通行は、なんらかの理由があって規定されている場合が多いです。特に一時停止は視界が悪く、事故の多い交差点などに多い標識です。
そして、必ず公道で走るルールというものがあります。交通標識に従うことのできないライダーは、バイクに乗る資格がないと思います。しかし、例外的に標識に従ってしまうと事故が起きるケースだけは、自己の判断で回避しましょう。
具体的な例を挙げると、某峠で登りのヘアピンの途中で一時停止の標識がありました。しかし、そこはRのきついヘアピンであるため、停止線で停車してしまうと、クラッチ操作をミスするとエンストして転倒してしまうリスクがありました。
そこで、コーナー手前地点で一時停止し、音と反対車線の道路のミラーを確認してから一気に登りました。もし普通に停止線で停車していたら、最悪の場合転んでいたかもしれません。
ただ、こういう無茶な標識は、滅多にありません。99.9%くらい理に適った標識の方が多いので、必ず交通標識は守りましょう。
3の「停車を意識する」は、ブレーキ性能を把握することが重要になってきます。バイクの場合、車よりも遥かにタイヤの接地面積の少ない乗り物ですので、停車するまでの距離が長いです。
逆に加速性能は車よりも高く、知らないうちに車間距離が近くなってしまうことが多いです。その場合重要なのが、いつでも停車できるように車間距離を必ず空けることです。
その場合重要なのが、信号の多い一般道では低回転でノッキングするほどの高いギアにしないことです。燃費走行を意識するあまり、明らかに適正でないギアで走るライダーがいますが、やめた方がいいです。というのもエンジンブレーキがかかるギアでないと停車できないケースや、ノッキングでエンストする危険があるからです。
逆に高速道路や信号の少ない幹線道路などでは、高いギアを使って巡航すれば燃費が良くなります。ケースによってギアを選択することが重要だと思います。
4の「すり抜けは最小限に」は、筆者も守らないといけない項目です。バイクに乗っていたら加速性能が車よりも優れているため、ついついすり抜けして前に出たがってしまいます。
しかし、ここに落とし穴があります。確かにすり抜けは幅の狭いバイクだからこそできる特権のようなものですが、むやみに行うと接触する可能性の高い走り方です。
車が停車していて、完全に間が空いている場合は、ちょっとくらいならすり抜けてもいいとは思いますが、少しでも車が動いている場合は止めたほうがいいです。
車は冒頭でも書きましたが、死角の多い乗り物です。後方からのバイクはまったく気付きません。前方に落し物や障害物があった場合急にハンドルを切る場合もあります。
もしすり抜けしている最中に、車に挟まれたらバイクはどうしようもありません。よって、すり抜けは最小限度にすることが重要だと思います。
最後に、「技量を把握し無理はしない」です。バイクやタイヤの性能や特性、自分自身のテクニックは、必ず把握しておくことが大事です。峠のテクニカルコーナーで、バイクでコケてしまったら、ガードレールに接触したり、谷底に転落することがあります。
ブラインドコーナーで転倒し、反対車線に出て車に轢かれるリスクもあります。峠は楽しい場所ですが、自分の技量以上のことを試すことはやめましょう。
一般公道であることをキモに命じ、反対車線に膨らまないスピードでコーナーに侵入すること、ある程度のマージンを持って走行する必要があります。
■バイクに対する評価
色々と安全運転について個人的に気をつけていることを書いてみました。公道において、「これが正解!」という走り方はないと思っています。自分の走り方が全て正しいとは思っていませんし、もっとリスクを減らす乗り方があるでしょう。
ライダーとして、なるべくバイクを悪者にされたくない思いが強く、無茶苦茶な走り方だけは避けています。そのことが結果的に長い間、バイクで無事故に繋がっているのだと思います。
バイクは楽しい乗り物ですが、日本では悪いイメージがあります。確かにマナーの悪いライダーはいますし、いいライダーばかりではありません。
しかし、一部の乗り方のよくないライダーのせいで、全体が悪く思われるのは心外です。バイク=悪というイメージが、今では希少な暴走族などのせいで広まっていることが納得できません。
日本のバイクメーカーは優秀です。ホンダやヤマハは世界シェアの1.2を争うメーカーとして有名ですし、MotoGPで活躍しています。国際的にバイクは、広く認知された乗り物です。日本国内でもバイクのイメージを向上していきたいです。
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