たまたまニュースをネットで検索していたら、マツダのディーゼル車両のリコールの記事を見かけました。デミオ、CX-3、アクセラの3種類のディーゼル車のリコールでした。家のアクセラはガソリン仕様の15S プロアクティブなので関係ありませんでした。
■エンジン内部の煤はディーゼルでは溜まりやすい?
アクセラを検討したとき、ディーゼルにしなかった理由は、父が買い物に使うので距離を走らないことが多いからでした。ディーゼルエンジンは、マツダに限らずカーボン(煤)が溜まりやすいので、長距離を走ることが少ないなら、ガソリンエンジンにする方が無難です。
ディーゼルエンジンは、トラックなど、排気量の大きな長距離走行車に多い内燃機関です。ガソリン車との大きな違いは、燃料に軽油(ディーゼル)を使用していることです。
メリットは、軽油がガソリンよりもリッターあたりの価格が安いことと、燃費が良く、CO2の排出量が少なく、低速トルクがあることです。デメリットは、高回転型のエンジンには向かないことと、PM(粒子状物質)やNOx(窒素酸化物)の排出量がガソリンよりも多く、煤がエンジン内部に溜まりやすいことです。
最近は、ヨーロッパなどでクリーン化が進んだため、PMやNOxの排出量が減少しました。コモンレールシステム(燃料をより微細に噴出するシステム)や、尿素NCR(アンモニアとNOxを科学反応させてNOxを減小)や、DPF(ディーゼル微粒子フィルター)などの技術によって自家用自動車サイズでの、クリーンディーゼルエンジンが実現したのです。
日本では、なかなかクリーンディーゼルエンジンは定着していなかったのですが、国内メーカーではマツダが低圧縮によるスカイアクティブ-Dというクリーンディーゼルエンジンを開発し、他メーカーより1歩リードしていました。
■ネットでのクリーンディーゼルの評判
マツダのスカイアクティブ-Dは、低速トルクがあり、低燃費でパワーのあるエンジンでした。低圧縮により、尿素NCRを必要としないディーゼルエンジンであり、評判は上々でした。
しかし、価格.comやみんカラなどでのサイトで、カーボンが溜まりやすく、最悪の場合、エンジンが止まるという口コミやレビューが、たびたび見かけるようになりました。
クルマの常識として、ディーゼル車は、たまに高速道路などで距離を走り、エンジンを効率よく燃焼させないとカーボンを吹き飛ばせないといった話があります。
僕も最初は、半分は使い方の悪いユーザーの責任だと思っていました。しかし、このような大規模なリコールや、ユーザーからの声の多さに考え方が変わりました。
高温高圧縮で、煤を発生させにくくする必要性があったディーゼルを、低圧縮で開発したため、通常よりカーボンが堆積しやすくなったのだと思います。ディーゼルの使い方が解っていないオーナー向けにも販売している車種ですので、なんらかの対策を早めにとるべきでした。
■ガソリン車でもカーボンは溜まる?
では、ガソリン車ではカーボンは溜まらないのでしょうか?答えはノーです。ガソリンと空気を混合させ、燃焼させるので、不完全な燃焼の起こりやすい状態で走り続けるとカーボンは溜まります。
市街地走行や、高速の渋滞などでノロノロ運転をすると、エンジンを高回転まで回しません。そうなると、ガソリン車でもカーボンは溜まります。ディーゼルよりも構造的に、煤が発生しにくいだけで、エンジンを適度に回す必要はガソリン車にもあります。
クルマだろうが、バイクだろうが、内燃機関で走るものは、たまに高速道路や峠などで、エンジンを高回転まで回しましょう。そうすることで、ピックアップのいい状態で楽しく走られるエンジンを維持できます。
※2018年 11月追記
11月9日に、マツダが発表したリコールがありました。アクセラ、アテンザ、CX-5、CX-8のSKYACTIV-D 2.2のディーゼルエンジンに問題がありました。。バルブの吸気側のスプリングの不具合で、煤を押し潰すことが不完全なため吸気バルブが完全に閉じないという症状が報告されています。
この状態では、圧縮不良によってエンジンが不安定になるので、リコールに該当する場合は、早めにマツダの店で作業をしてもらった方がいいと思います。
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