2023年秋アニメレビュー後編:ダークギャザリング〜PLUTOまでの7作品をレビュー!

前回に引き続き、2023年秋アニメレビューの後編です。後編では、『ダークギャザリング』、『デッドマウント・デスプレイ』、”Dr.STONE”、『豚のレバーは加熱しろ』、”PLUTO”、『ブルバスター』、『暴食のベルセルク』の7作品をレビューします。

目次 この記事の内容

  • ダークギャザリング
  • デッドマウント・デスプレイ 第2クール
  • Dr.STONE NEW WORLD
  • 豚のレバーは加熱しろ
  • PLUTO
  • ブルバスター
  • 暴食のベルセルク
  • 2クール継続にこそ覇権あり?

ダークギャザリング

『ダークギャザリング』は、ジャンプSQに連載中の近藤憲一の漫画が原作のテレビアニメです。夏アニメで1クール、秋で2クール目の全25話で放送終了しました。

内容は、霊感のある大学生螢多郎が、家庭教師をしている小学生の夜宵、夜宵のいとこで螢多郎の幼馴染の詠子の三人で、強力な霊のいる心霊スポットを探索するというものです。

夜宵には、母親の霊を連れ去った空亡という恐ろしい心霊と対決するために、様々な怨霊を集めるという目的がありました。生まれつきの霊媒体質のせいで、呪われた螢多郎と巻き込まれた詠子にも、その呪いを解消するために夜宵に協力するのですが、実際に危ないとされている心霊スポットの危険は想像を絶するものでした。

和歌山県に実際にある、人形の多い神社にはツーリングで行ったことありました(大汗)。実在の場所が登場するので、オカルト好きならハマると思います。アニメーション制作はOLMで、今回はチーム名表記はありませんでした。

監督は博史池畑(ひろしいけはた)で、シリーズ構成は『シドニアの騎士』、『ゾンビランドサガ』の村越繁です。俺達の戦いはこれからだエンドっぽいのは原作との兼ね合いでしょうか?作画もそこそこ良かったので星は3.5ですが、秋アニメの中でも結構好きなアニメでした。

デッドマウント・デスプレイ 第2クール

『デッドマウント・デスプレイ』は、『デュラララ!!』の成田良悟原作、藤本新太作画の同名漫画が原作のテレビアニメです。第1クールを2023年の春にやってから、第2クールを秋から放送しました。

デュラララ!!の作者らしい群像劇主体の話は、異世界からやってきた主人公と、それを取り巻く化け物級の登場人物達が登場します。一見すると複雑に見える事件が何層にも渡って繰り広げられるのですが、この2クール目で物語は一度決着がつきます。

とは言え、これで終幕というわけではなく、ヤングガンガンに連載中の原作に続きがあるようです。アニメーション制作はGEEKTOYSで、監督は薩摩良寛で、シリーズ構成は小野学です。

作画もそこそこ良くて、群像劇ならではの仕掛けもあり、とても楽しめられた2クール目でしたが、他が強くて星は3.5です。秋アニメは、この出来でも佳作認定できないほどのレベルでした。

Dr.STONE NEW WORLD

“Dr.STONE NEW WORLD”の第2クールは、週刊少年ジャンプで連載してい稲垣理一郎“Dr.STONE”の第3期アニメです。1クールの放送は、2023年の春アニメでやっており、後半の2クールは秋アニメでやりました。

アニメーション制作は、老舗のトムス・エンタテインメントです。監督は”ID-0″の演出で知られる松下周平で、シリーズ構成は『恋は雨あがりのように』の木戸雄一郎です。第3期は、地球の裏側に航海をするために、優秀な船長龍水を復活させ、大航海をする千空達。

その行手には、プラチナを積んだ宇宙船の着陸船がある島の王国があり、そこには石化装置と厄介な支配者がいました。千空は化学王国の総力をあげて、プラチナの奪取を目論みます。


そして、ついに決着の時が訪れ、真の敵が本格的に接触してきたとき、宇宙を目指すことになるのです。ストーリー的には、前半は化学船ペルセウスの開発、後半は島の王国との戦いという感じでした。手に汗握る展開と、丁寧に作られた作画もあって星は4、佳作認定です。

最終章の制作も決定しているので、今から楽しみにしています。それまで原作を読まないつもりですが、我慢出来る自信がありません(大汗)。

豚のレバーは加熱しろ

『豚のレバーは加熱しろ』は、タイトルだけ見ると何のアニメか分かりません。筆者も最初は料理ものかと勘違いした程です。実際には、豚の姿で異世界に来た主人公が、イェスマと呼ばれる虐げられた身分の少女ジェスを助けて旅をするファンタジーものでした。

元々は逆井卓馬によるラノベ原作のアニメで、アニメーション制作はproject No.9です。同スタジオは2024年の冬アニメ、『弱キャラ友崎くん 2nd STAGE』も担当しており、ラノベ原作ものに定評のあるスタジオです。

イェスマの運命が過酷で、16歳になると王都に身を捧げるための旅をするのですが、豚と共に苦難を乗り越えて、王都に入ります。そこで待っていたのは、イェスマが差別され、過酷な旅をする真相でした。

監督は高橋雅之(たかはしまさゆき)で、シリーズ構成は赤尾でこ(三重野瞳)です。最終回が延期されたため、11話までの評価になりますが、星は3.5です。ファンタジーものとして、かなりな変化球の作品で、それなりに楽しめられました。

※2024年 2/5放送の最終回、とても良かったです。最後にきっちりと話がまとまっていて、星は変わりませんがいいアニメでした。

PLUTO

“PLUTO”は、手塚治虫の『鉄腕アトム』の人気エピソード、『地上最大のロボット』を原作に、浦沢直樹が2003年にリメイクした漫画です。そのPLUTOを原作にしたアニメが本作で、こちらはNetflixにて配信されていました。

全8話は、多少のバラつきはありますがほぼ1時間で、それぞれ全8巻のコミックスと同じボリュームになっています。この作品が元来持っていたテーマと、ロボットが人間に近づいた結果としての悲劇、戦争がきっかけとなったプルートゥと7体のロボットの戦い、心理面での恐怖というものが見事に再現されていました。

アニメーション制作は、スタジオM2がプリプロを行い、名だたるスタジオが協力して仕上げていくというスタイルです。監督は河口俊夫、そして監修に手塚眞です。

クオリテイは圧巻の一言で、2023年秋アニメの中でも随一だったと思います。特に前半の主人公、ロボット刑事のゲジヒトの表情などは原作をうまく再現しつつ動かしていたことに驚きました。また、アトムやウランの浦沢版とでも言うべき特徴がちゃんと出ていたことも、ちゃんと原作をリスペクトしているのが伝わりました。

星は、覇権クラスの5で文句なく最高評価です。ぜひ、機会があれば観ていただきたいアニメなのですが、出来れば地上波で放送して欲しいです。

ブルバスター

『ブルバスター』は、カクヨムに連載されていた中尾浩之原作、海老原誠二執筆の同名小説のアニメです。波止工業という害獣駆除を請け負っている会社と、その手段として新たに配備されたブルバスターというロボットと、謎の巨獣のいる龍眼島を舞台にしたロボットアニメです。

テイスト的には、『機動警察パトレイバー』に近いかと思いました。つまり技術レベルが現代に近く、更に重機から発展したかのようなロボットといい(ブルバスターだけ洗練されている)そういうイメージで見ていました。

また銃弾1発あたりのコストを計算したり、大企業に会社ごと乗っ取られそうになったり、設定はかなりリアルで、そこがこのアニメの面白いところでした。アニメーション制作は『幼女戦記』のNUT(ナット)で、監督、シリーズ構成は青木弘安です。

しっかりと最終回では話が色々と纏まって、複雑に見えた伏線も回収されました。ストーリー、テンポ、作画が良く、何よりロボットものということで個人的に好きな作品なので、星は4佳作認定です。パトレイバーとか好きな人にはいいアニメだと思います。

暴食のベルセルク

『暴食のベルセルク』は、一色一凛によるカクヨムに連載中の小説のテレビアニメ化です。内容については、生まれついてのスキルによって差別される側だった主人公フェイトが、門番の仕事中にあるスキルに目覚め、黒剣グリードを入手して暴食という特殊なスキルで強くなっていくという物語です。

ここに出てくる聖騎士というのが、酷い連中で差別意識バリバリでフェイトだけでなく、庶民を虐め抜いています。フェイトが、唯一の聖騎士の良心であるロキシーと心を通わせるようになっていきます。そして、悪の?聖騎士との下剋上などが見所となっています。

アニメーション制作は『湾岸ミッドナイト』のA・C・G・Tです。監督は『健全ロボ ダイミダラー』の柳沢テツヤ(やなぎさわてつや)で、シリーズ構成は國澤真理子です。

作画は平均的で、話は楽しめられたので星は3です。ファンタジーは多いので、変化球で勝負するか、王道で行くかの2択になりつつありますね。

2クール継続にこそ覇権有り?

実は今期は紹介した14作品の他に、『葬送のフリーレン』、『薬屋のひとりごと』、『アンデッドアンラック』の3作品を視聴していました。星5を付けたPLUTOを除いて、覇権候補は『葬送のフリーレン』だったので、2024年冬アニメでの評価が楽しみです。

佳作の星4以上が、14作品中6作品というハイレベルなクールでしたが、中でも”PLUTO”や、『呪術廻戦』は抜き出ていました。しかし、オリジナルが今回紹介した中では『オーバーテイク!』だけだったのが少し寂しい気がします。次のクールでのオリジナルアニメに期待します。

 

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