今年もとうとう始まりました!MotoGPの第1戦は、カタールGPです。中東のカタールの首都ドーハにある、ロサイル・インターナショナル・サーキットで3月10日に開催されました。
テストから好調のドゥカティとヤマハ
ドゥカティ・ワークスのアンドレア・ドヴィツィオーゾ 写真は昨年のもの
今シーズンのテストは、トータルでドゥカティとヤマハが好調でした。昨年のチャンピオン、ホンダのマルク・マルケス選手は肩の手術で、同じくホンダに加入したホルへ・ロレンソ選手も怪我の影響で調子が上がっていませんでした。
そんな中、LCRホンダの昨年型のRC213Vを駆る中上貴晶選手が、テストから好調で、今年は期待できそうでした。同じチームのカル・クラッチロー選手が怪我で苦しむ中、ホンダ勢の中では元気があったのが中上選手でした。
ドゥカティは、エースのアンドレア・ドヴィツィオーゾ選手を中心に、着実に調子が上がっていき、テストでは上位を占めるほど好調でした。そんな状態でも、ヤマハ勢はマーヴェリック・ビニャーレス選手が度々、好タイムを出しアピールしていました。
スズキのGSX-RRもアレックス・リンス選手を中心に、スピードでホンダやドゥカティに対抗するくらいに仕上がってきていました。興味のつきないテストが終了し、3月9日の予選が開始されました。
予選トップはヤマハのビニャーレス!
2019年型 YZR-M1
今年から、ヤマハのメインスポンサーに、モンスターエナジーがついたので、YZR-M1のカラーリングも黒と青を基調にしたものになりました。スズキのGSX-RRと見分けのつきやすいカラーになったので観戦しやすくなったと思います(笑)。
昨年は、ヤマハにとっては屈辱的なシーズンだったので、ニューマシンで巻き返しを計りたいところでしょう。予選でポールを取ったのは、ヤマハのビニャーレス選手でした。2位には、ドヴィツィオーゾが入り、3位にマルケス、4位はドゥカティ・プラマックレーシングのジャック・ミラー選手が入りました。
中上選手は、9番グリッドとなかなかの位置につけ、ヤマハ・ペトロナスSRTのルーキー、ファビオ・クアッタハッホが5番手グリッドと、ポテンシャルの高さを見せました。
スタート失敗のヤマハ勢と怪我に苦しむロレンソ
まだ見慣れないレプソル・ホンダのロレンソ
そして3月10日の、Moto3の決勝ではホンダ・チームアジアの鳥羽海渡選手が、Moto3クラスとなってから初めての優勝をするという快挙が!2007年125ccクラス(Moto3の前のクラス)の小山知良選手の優勝以来、12年ぶりの出来事でした。
今年からトライアンフの750ccの3気筒エンジンのワンメイクレースになる、Moto2ではフレックスボックスHP40のロレンソ・バルダッサーリが優勝し、2位には追い上げてきたトーマス・ルティが入りました。トップ10の全てがカレックスのシャーシが独占するというレースになりました。
MotoGPの決勝では、クアッタハッホのマシンが不調でピットスタートという不運に見舞われました。また、ビニャーレス選手もスタートからミスをしてしまい、ホールショットは、ドヴィで、ミラー、マルクの順に続いていきました。
中上選手は、序盤は5位となかなかの位置につけていましたが、徐々に後退していき、逆に予選では振るわなかったヤマハのバレンティーノ・ロッシ選手が順位を上げていきました。
トレーニング中に、左手を怪我し、カタールのFP3でも転倒し、肋骨にひびの入った(後日公表された)ロレンソは、予選15位と調子が上がらず、決勝でも後方での順位争いという状態でした。
序盤に元気があったのは、スズキのリンスとジョアン・ミルでした。特にリンスは、ドヴィやマルケスを一時的に抜いてトップになるなど、活躍が目立ちました!
勝ったのはドヴィツィオーゾ!マルケスは2位
僅差で2位となったマルケス
中盤以降もトップグループが7台くらいになるという接近戦で、順位が入れ替わる中、残り5周で抜け出してきたのは、ドヴィとマルクでした。3位にクラッチローが上がってきて、ロッシも後方から追い上げ5位争いを展開していました。
残り2周でマルケスがトップになるも、ラスト1周のメインストレートでスリップストリームから、ドヴィのデスモセディチが追い抜き、再びトップへ!マルクが最終コーナーで仕掛け、インに飛び込むものの、クロスラインで先に立ち上がったのはドヴィ!
マルクは、スリップを使って横に並びかけますが、先にコントロールラインを通過したのは、ドヴィツィオーゾでした。2位には0.23秒差でマルケス、3位にクラッチロー、4位にリンス、5位にロッシ、6位は今年からドゥカティ・ワークスのダニーロ・ペトルッチ選手が入りました。
中上選手は、9位フィニッシュ!昨年の最終戦での6位以上の結果とはなりませんでしたが、シングルフィニッシュは見事でした。そして、粘りの走りで怪我の中13位と健闘したロレンソと、ホンダ勢の活躍が目立ちました。RC213Vのストレートスピードが向上しているのが、はっきり解るGPでした。
心配なのが、ロッシの5位、ビニャーレスの7位と、得意なはずのカタールで惨敗したヤマハです。去年からの迷走が続いているのでしょうか?ルーキーのクアッタハッホが、まともにスタートしたなら、どうなっていたのか、気になるところです。
次戦は、3月31日のアルゼンチンGPで、3週間後になります。その間に、ロレンソの怪我は治るのでしょうか?また、ヤマハは復調するのでしょうか?
レース終了後に、ドゥカティに対して、ホンダ、スズキ、アプリリア、KTMから訴えがあり、デスモセディチのリアタイヤの前にあるスプーンと呼ばれる空力パーツがレギュレーション違反ということです。アルゼンチンGPの前になんらかの判定が下されるということです。
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