MotoGP 2018 最終戦 バレンシアGP:ペドロサ最後の勇姿と中上の活躍!

MotoGP 2018 第19戦(最終戦)バレンシアGPは、11月18日にスペインのバレンシア・サーキットで開催されました。地元のレジェンドライダー、ダニ・ペドロサ選手のMotoGPの引退レースでした。

さよならダニ・ペドロサ

今回でMotoGPを引退するダニ・ペドロサ選手

2002年からスペインのバレンシア州にあるバレンシア・サーキット(シルクイート・デ・ラ・コムニタート・バレンシアーナ・リカルド・トルモ)がMotoGPの最終戦となっています。

スペイン人ライダー、ダニ・ペドロサ選手は、レプソルホンダのMotoGPライダーとして、活躍していたライダーです。最高峰クラスのワールドチャンピオンこそ獲得していませんが、125cc、250cc(現在のMoto3、Moto2の前身)で3度のチャンピオンを獲得しています。

2006年にMotoGPクラスにステップアップしてから、12年間ホンダのワークスチームであるレプソルホンダに在籍し続けました。2007、2010、2012年と3回年間タイトル2位を獲得し、常にトップクラスで争っていました。

世界選手権での通算成績は、優勝54回、最多獲得ポイント4151ポイント(今回のレースを除く)と最多勝ランキング7位、ポイントランキング2位という驚異的な記録を残しています。

158cmの小柄な体を目一杯使ったライディングはカッコ良く、スタートの達人でもありました。また、多くのライダーやファンに愛される人柄でも知られていて、毎年応援しているライダーの1人でした。

バレンシアGPのレースウィークの11月15日で、見事にレジェンド入りしました。偉大なライダーに並ぶ成績を収めたライダーに対する、敬意の表れだと思います。来シーズン以降は、KTMのテストライダーとして活動していくそうです。

また、ドゥカティのアルバロ・バウティスタ選手が、来シーズンからはスーパーバイク世界選手権に参戦します。アプリリアのトーマス・レディング選手は、来シーズンからブリティッシュ・スーパーバイクで競技を続けます。

天候が不安定なバレンシア

年間チャンピオンのマルク・マルケス選手とKTMのポル・エスパルガロ選手

レースウィークのバレンシア州の天候は、洪水がニュースになるほど、雨に祟られていました。フリープラクティスから天気は思わしくなかったので、土曜日の予選も危惧していましたが、MotoGPの予選時には雨が上がっていました。

しかし、ウェットパッチ(路面に残る水)により、難しいコンディションでした。Q2が始まってすぐに、ディフェンディングチャンピオンの、マルク・マルケス選手が転倒しました。

マルケスは、左肩の脱臼癖がついているので、またはずれたような仕草をしていました。Q2の中盤に肩を入れなおして、戻ってきたのにはびっくりしました。さらに凄いのは、この状態で予選5位のタイムを出したことです。

ペドロサは9番手タイム、ポール・ポジションは、モビスターヤマハのマーヴェリック・ビニャーレス選手で、2位にスズキのアレックス・リンス選手、3位にドゥカティワークスのアンドレア・ドヴィツィオーゾ選手がそれぞれ入りました。

厳しいコンディションで転倒者続出

LCRホンダの中上貴晶選手

Moto3クラスで、波乱がありました。ワイルドカードで参戦していたKTMのジャン・オンジュ選手が史上最年少記録の15歳で優勝しました!Moto2でも、KTMに乗るミゲル・オリヴェイラ選手が優勝し、KTM勢の活躍の目立つグランプリとなりました。

MotoGPクラスがスタートすると、ホールショットはリンスでした。マルケスと、KTMのポル・エスパルガロ選手が激しい4位争いをしている間に、リンスが後続との差を広げていきます。

レース序盤にマルケスが転倒しました。激しく路面に叩きつけられていたので心配でしたが、マルケスに怪我はなかったようです。ただ、脱臼癖がついているので、しきりに左手を気にしていました。

アプリリアのアレイシ・エスパルガロ選手が3周目に転倒し、続いてドゥカティのジャック・ミラーも転倒し、同じくドゥカティのダニーロ・ペトルッチも転倒、ホンダのトーマス・ルティも転倒リタイヤしました。


12周目には更に、ビニャーレスが転倒、ホンダのフランコ・モルビデリやスズキのアンドレア・イアンノーネ選手もリタイヤしました。どのライダーもハイサイド気味に転倒しています。大雨のため、路面には水が溜まっているように見えました。

14周目に、リンスに追いつき追い抜いたドヴィが手を上げてレッドフラッグによるレース中断が決定しました。トップのライダーが危険だと判断した場合は、レースを中断することが出来ます。

20分ほどのインターバルの後、クイックリスタートによるヒート2が始まりました。グリッドは、13周目の時点なので、リンスがトップのままでした。2位にドヴィ、3位になんと!予選では不調だったヤマハのバレンティーノ・ロッシ選手が入っていました。

そして4位の入賞圏内に、ラストレースのペドロサが入っていました!5位にヤマハのヨハン・ザルコ選手、6位にLCRホンダの中上貴晶選手の姿が!これは、ベストリザルトが期待できます。レース1終了時に8人が転倒しているというサバイバルレースとなっていました。

優勝はドヴィ!おめでとう中上初6位入賞!

優勝したアンドレア・ドヴィツィオーゾ選手

レース2は、残り14周で行われました。1周目でリンスをドヴィが抜くと、そのままアドバンテージを開いていきます。ロッシが2位のリンスを抜きましたが、10周目に転倒してしまいます。ロッシはその後、再スタートしますが、順位は大幅に下がってしまいます。

そして、そのままドヴィがチェッカーを受けました!難しいコンディションの中で得た優勝は素晴らしいと思います。2位のリンスは、来シーズンに繋がるレースをしました。スズキの進化は、確実に進んでいます。そして、3位にはなんと!ポル・エスパルガロ選手が入りました。KTMの初表彰台となり、KTMにとっては忘れられないGPとなりました。

4位には、ドゥカティでワイルドカード参戦のミケーレ・ピッロ選手が入り、5位に最後のレースとなったペドロサが入りました。長い間、GPを沸かせたレジェンドの引退には、目頭が熱くなりました。

そして、インディペンドライダーのトップである6位に、中上が入りました!これはとても嬉しい出来事です。ルーチョ・チェッキネロ監督が滅茶苦茶嬉しそうでした。このレースがきっかけとなって、来シーズン躍進してもらいたいです。

ホンダ3冠達成!来シーズンは誰がマルケスを止めるのか?

3冠達成したレプソル・ホンダのピット

マルケスのタイトルと、ホンダのコンストラクターズチャンピオン、今回のレプソルチームのチャンピオンとホンダワークスは3つのタイトルを獲得しました。来シーズンは、3冠を達成したホンダに対して、他メーカーの巻き返しがあるのでしょうか?

ランキング2位のドヴィと、ホルへ・ロレンソ選手(来シーズンからはホンダ)を擁するドゥカティは、コンストラクターズも2位、チームタイトルも2位とホンダに及びませんでした。ヤマハは、今年不調でしたが、来年からの開発で巻き返してくる可能性は高いです。

リンスが良くなってきているのは、ライダーの技能の向上もありますが、GSX-RRが徐々に速くなってきているからでしょう。来シーズンのダークホースになりそうな気がします。今回、初表彰台となったKTMも侮れないポテンシャルがあるので、2019年シーズンも楽しみです。

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