2018年の夏に終了したアニメの個人的につけたランキングを紹介します。春に放送を開始し、2クールで終わった作品と、1クール12話で完結した夏アニメを含みます。BEATLESSは、完結編が現在放送中ですので、今回のランキングには入りませんでした。
第1位 プラネット・ウィズ
出典 http://planet-with.com/ アイキャッチ画像も公式ページより
『プラネット・ウィズ』は、2018年7月~9月に放送された12話1クールのテレビアニメです。漫画家の水上悟志のネームを元に、アニメを制作していくという斬新な手法は、作家性を存分に発揮できるという利点がありました。
今までのアニメは、原作マンガがある程度ストックされてから制作するか、原作と平行して制作されるかの2択でした。プラネット・ウィズは、水上悟志がネームを書き、そこからスタッフがアニメで動かすという工程によって出来上がります。これにより、リアルタイムな週刊マンガのような先の展開の気になるアニメとなっています。
世界各地に現れたネビュラウェポンと呼ばれる巨大兵器と、それと戦うグランドパラディンの念動巨神装光を操るサイキック戦士の戦いが地球で繰り広げられていました。
グランドパラディンの戦士と戦う、アンチヒーローとしてのネビュラソルジャーは、本編の主人公、黒井宗矢の操る先生(ネコ型宇宙人)の変身した姿だったのです。
黒井宗矢は、故郷を滅ぼした龍の力を嫌悪しており、グランドパラディンの念動巨神装光には、龍の力が関係していました。宇宙人側(ネビュラ側)も先生とアシスタントの黒井銀子のような穏健派と、閣下(CV岩本規夫)と呼ばれる犬型宇宙人の封印派に分かれていて、戦いはますます混乱することになります。
念動巨神装光や、ネビュラソルジャーはロボットのような外観をしており、プラネット・ウィズは、ロボットものとしての側面も持ち合わせています。とはいえ、念動力によって生み出される光の装甲という設定なので、生物的な動きもするので純粋にロボットとして定義していいものか悩みますが・・・。
そういえば、途中で「俺を踏み台にしたぁ!」などのガ○ダム関係のセリフから製作者サイドが、ロボもの好きなのはよく伝わりました(笑)。先生と閣下のライバル関係や、龍という巨大兵器?との戦いなど、熱い展開てんこ盛りで、楽しめられる作品でした。
1クール12話で、きっちりとまとまった話になっているところや、序盤~最終話までの予想できない展開など、今季アニメの中では一番観るのが楽しみな作品でした。制作は、『少女革命ウテナ』、『ヘヴィー・オブジェクト』のJ.C.STAFF、監督は鈴木洋平です。
第2位 重神機パンドーラ
出典 http://www.project-pandora.jp/
『重神機パンドーラ』は、4月から9月の2クール26話で放送されたテレビアニメです。制作は、マクロスシリーズでお馴染みのサテライト、原作と総監督も河森正治です。また、中国のプロデューサーである孫晗とXiamen Skyloong Mediaが共同で制作しています。
そのため、物語の舞台のネオ翔龍(シャンロン)も重慶市が主なモチーフとなっていています。中国では、『パシフィック・リム』が大ヒットしているので、ロボットものが流行しているのではないでしょうか。パンドーラは珍しい中国との同時放送という国際色の強いアニメとなっています。
サテライトお得意の3DCGによる戦闘シーンや、よく動く河森メカ、江端里沙による魅力的なキャラクターなど、見所はたくさんありました!話も26話でよくまとめられていました。
河森作品というと、三角関係を描いた恋愛要素が大きいのですが、今回はどちらかというと家族愛や、仲間との友情に焦点が当てられていたと思います。
主人公レオンと義理の妹のクロエや、秘書官でレオンの幼少期からの知り合いのジェイのツンデレ?ぶりなどや、意外と仲間思いのグレン大尉(番長)なども魅力的なキャラクターでした。
人間関係についても、じっくりと作り込まれている印象があるのですが、色々な要素を詰め込みすぎたような気がします。多数の登場人物の背景を語りすぎて、肝心のレオンとクロエの関係や、パンドーラ3のパイロットであるクイニーとの淡い三角関係?がおざなりになってしまったからです。
ダークドライブとハイパードライブが、中国の陰陽思想を象徴しています。進化をテーマにしているところは、変形合体メカの元祖であるゲッターロボ(マンガ原作版もしくは真ゲッターロボ)とも共通しています。河森総監督は、『創聖のアクエリオン』でもゲッターロボっぽいメカを登場させていたので、影響を受けているのかもしれません。
第3位 ルパン三世 PART5
出典 https://lupin-pt5.com/
『ルパン三世 PART5』は、関西ではMANPA!枠で放送されていた深夜アニメで2クール24話の作品でした。ルパン三世といえば、日曜日の昼に放送されていたイメージが残っており、深夜枠のルパンは『LUPIN the Third -峰不二子という女-』や『ルパン三世PARTⅣ』以来3作目となります。
舞台は、PART4のイタリアからフランスへと移りました。ルパン一味のアジトも必然的に、フランスとなり、ルパンの活躍もフランスを起点に描かれることが多いです。青背広のルパンは、初代ルパンを彷彿とさせますが、過去回などでは赤(第2シリーズ)やピンク(PART3)になったりします。
複数回の主要エピソードの合間に、過去の回想回含む一話完結エピソードが散りばめられる形となっています。今回のルパンのライバルは、シリーズ屈指の強敵揃いで、主要エピソードでルパン一味は何度も窮地に追い込まれます。
天才ハッカー少女アミや、ヒトログを作ったIT企業のCEOエンゾなど、現代のガジェットを用いた話が多いのが印象的でした。ルパン三世も現代技術を逆手にとった反撃をしたり、デジタルが主流になりつつある現代に適応している印象があります。
その上で、次元や五ェ門の突出した戦闘力による活劇も相変わらずで、今回は次元の活躍が凄かったです。次元は従来通りS&WM19を愛用しているのですが、Desert Tech SRS 狙撃銃(第18話)などあらゆる火器を駆使してルパンを支えるのです。
ルパンと不二子の関係の進展?や、アジトでのルパンの変装が老人であったり、今までにない要素が増えています。新キャラの方もしっかりと描かれており、銭形も健在です。今回、オープニングにルパンの愛車フィアット500が登場しますが、後半からはかつての泥棒仲間アルベールから譲り受けたルノー・8 ゴルディーニに乗っています。
PART5は、現代的なガジェットや、掘り下げられた主要メンバーの内面、かつてない強敵など今までのルパン三世の話とは一味違うシリーズでした。アニメーション制作は、テレコム・アニメーション・フィルム、監督は矢野雄一郎、シリーズ構成は『ターンエーガンダム』の大河内一楼です。
第4位 PERSONA5 the Animation
出典 https://p5a.jp/
アトラスのRPGのペルソナシリーズは、ペルソナ3からアニメ化されており、“PERSONA5 the Animation”も、2018年春から2クール26話で放映されました。筆者は、ほとんどのペルソナシリーズと、元ネタの女神転生シリーズをアニメや小説時代から知っているファンなので、当然のようにチェックしていました。
今回、ちょっと順位が下がった理由としては、「ここで終わるんかい!」という展開だったからです。26話(最終話)以降の話は、年末のスペシャル番組でやるそうなのですが、どうせなら2クールできちんと完結して欲しかったです。
ゲームの真エンドを2回プレイ済みの筆者からすれば、「なるほどここで真ルートに繋がるわけだな」と思えても、アニメから入ってきた視聴者にとっては、ただのバッドエンドというのがちょっと・・・。しかも、なにげにバッドエンド時の曲流してるし(大汗)。
この作品の評価は、年末のスペシャル番組以降にした方が良かったのかもしれません。それでもペルソナ5の魅力的な世界は充分表現できていたので、期待しています!しゃれおつな目黒将司の曲や、CloverWorks(A1 picturesの元高円寺スタジオ)による作画など見所はありました。監督は原画や作画監督として知られる石浜真史です。
番外編 グラゼニと博多豚骨ラーメンズ
出典 http://hakatatonkotsu-anime.com/
残りのランキングを発表する前に、放送のずれ込みで、今回のランキングに入らなかった作品を紹介します。『グラゼニ』は、森高夕次、足立金太郎(アダチケイジ)の同名漫画のアニメ作品です。
『グラゼニ』は、BSスカパー!のアニメとして2018年春から1シーズン12話で放送されましたが、筆者はJ:COMでCSを契約しており、BSスカパーから1シーズン遅れて放送されたBSフジで視聴しました。このため、厳密には春アニメの段階でランキングに入れなければならないため、今回は番外としました。
セリーグの某球団の中継ぎ投手である、凡田夏之介は選手年鑑を読むのが趣味でした。口癖はグラゼニ、「グラウンドには銭が埋まっている」という言葉の略称です。この作品の凄いところは、プロの徹底したシビアさを描写していることです。
年収1,800万円の凡田夏之介にとって、毎試合が真剣勝負で、結果が即査定に反映されてしまいます。登場してくるプロ選手は、誰もがシビアな世界で必死にもがいているのです。
監督は渡辺歩、制作はスタジオディーンです。グラゼニは、今まであまり注目されていなかったところにスポットライトを当てた画期的なプロ野球漫画(野球狂の詩を除く)で、忠実にアニメ化した本作は毎週楽しみにしていました。ヒロインのユキちゃんが最終話のみの登場というのも、この作品らしいところです。
『博多豚骨ラーメンズ』は、2018年の冬にAT-XやBS11にて放送されていました。しかし、筆者が気付いたのは2018年7月のサンテレビで地上波放送されていたときで、厳密には2018年冬アニメだったので、この作品も番外編での紹介となります。
博多豚骨ラーメンズは、木崎ちあきによるラノベ原作です。博多の街に住む、個性的な殺し屋同士の駆け引きや、友情などを描いています。元が小説原作のため、脚本がしっかりとしており、1クールでちゃんと完結しています。
ヒロインが女装の殺し屋林憲明(リン・シェンミン)というのも、時代でしょうか(笑)。基本的にほぼ男しか出ない、萌えアニメとは対極の作品です。アニメーション制作はサテライト、監督は安田賢司です。
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