今回は、ヤマハ DT230 LANZAを紹介します。前回紹介したCRM250ARとほぼ同時期のデュアルパーパス2ストマシンでしたが、1998年に国内販売終了となりました。
DT230 LANZAは2スト版セロー?
出典 http://www.bikebros.co.jp/
DT230 ランツァは、1996年に販売開始されました。国内の2ストローク車は、年々厳しくなる排出ガス規制のせいで、90年代末には販売終了に追い込まれました。ランツァもそのうちの1台でした。
僕が、このランツァのことを思い出したのは、2010年頃にバンディット250を購入する前に南大阪の2ストローク車を大量に置いているバイク店でみかけたことがきっかけでした。
ランツァのことは、DT系のバイクとしか覚えていなかったのですが、詳しく調べてみると、オールラウンドに使えそうなバイクだと思いました。結局4ストローク4気筒のスズキ バンディット250を購入しましたが、DT230 ランツァは最後まで悩んだバイクでした。
DT200といえば、エンデューロレースなどのバリバリの競技用のイメージがあったのですが、DT230 ランツァは2スト版のセローを目指して作られたようで、2ストオフローダーとしてはシート高865mmと足つきも良く操作性に優れたバイクとなっています。
特筆すべきは、サスペンションの長さで、一般的な2ストモデルより短いため、舗装路での扱いや、足つき性の良さなどに繋がっています。その反面、DT200よりもボアアップした224ccのエンジンは、40PSと水冷2ストローク単気筒エンジンの中でも高出力でした。
DT230 ランツァは万能選手?
ランツァは、オンロードでも充分速いバイクでした。車重が130kgで、40PSのパワフルなエンジンを搭載しているため、高速から峠まで使えるバイクだったのです。オフロードは、どちらかというとセローのようなトレール向けですが、フラットダートや、林道でも充分なパフォーマンスの万能選手でした。
※DT230 LANZA スペック表
DT230 LANZA | |
最高出力 PS/rpm | 40/8,500 |
最大トルク kgm/rpm | 3.7/7,500 |
車体サイズ mm | 2140×800×1,200 |
車両重量 kg | 130 |
燃料タンク容量 L | 11.0 |
使用燃料 | レギュラー |
2スト車の宿命として、2ストオイルを頻繁に注がないといけません。また、燃費は10.15モードでリッターあたり40kmとセローと比較すると良くありません。
しかし、セルモーターの装備や、トレール車的な車体構成によって、あらゆるシーンで扱いやすく、最後の軽2輪DTとして人気のあったバイクです。
最後のヤマハ2ストローク軽2輪車
ヤマハ R1-Zも1999年で生産終了となった
ヤマハは、ホンダ、スズキ、カワサキと同じく2ストローク軽2輪を1999年で販売終了しています。その中には、R1-ZというRZ250Rの後継車も含まれていました。ランツァは1998年に国内販売は終了していましたが、2001年までオーストラリアと南アフリカで販売されていました。
筆者が投稿したこの記事の動画バージョンです。
ランツァは、シート高の高いCRMと比較して、とっつきやすいデュアルパーパスバイクでした。最近まで販売されていたWR250Rという4スト車の中にDT系のバイクの血脈が受け継がれていました。2017年に生産終了したWRですが、先代DT同様排ガス規制でなくなるというのは、歴史は繰り返すということでしょうか。
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