僕は、現在BOSS DD-20をメインに使っています。デジタルディレイの良さも確かにあるのですが、以前使っていたIBANEZ AD9のようなアナログの暖かみが欲しいときもあります。
実は隠れアナログディレイ派
BOSS DD-20(不精して画像を転載したので筆者のものではない)
筆者は、長い間DD-20をメインに使ってきました。このデジタルディレイは、3つのメモリー枠とマニュアル1枠合わせて、4つのセッティングを切り替えられる優れものです。
ショートディレイ気味にして、かけっ放しにしたり、ここぞというときにロングディレイを深めにかけてソロを際立たせたり、飛び道具的なセッティングにしたり出来ます。ぶっちゃけ、BOSS GT-6やLINE6 POD XTのようなディレイを細かく記憶できるマルチを使った経験から、メモリー機能のあるディレイは必須でした。
DD-20の素晴らしい機能と、デジタルの正確さは認めるのですが、アナログディレイのもこもこした感じの暖かみのあるトーンの方が、実は好みなのです。
思い出のIBANEZ AD9
IBANEZ AD9 筆者も使ったことのあるアナログディレイ
筆者がギターを始めて間もなかったころ、時代はデジタルディレイ全盛期で、アナログディレイはあまり売れていませんでした。お金のなかった筆者は、まず歪みを揃えて次にディレイを買うことにしたのですが、予算は5,000円以内という無謀な金額で探していました。
中古コーナーにお買い得品として、置いてあったのが、IBANEZ AD9です。その当時は捨て値の4,000円のタグがついており、何も解らないまま買ったのですが、実はオリジナルの80年代のAD9でした。
やけくそのような価格で買ったAD9ですが、使ってみると無茶苦茶気持ちのいい音が出ました!その後友人からBOSS DD-5を借りたときは、圧倒的にAD9の音の方がいいと思いました。
デジタルとアナログの違い
BOSS DD-3 世界初のコンパクトディレイDD-2の後継器として一時代を築いた
ディレイというエフェクターは、やまびこのように音を遅らせて反復させるものです。アナログもデジタルも同じディレイなのですが、アナログがBBD素子を使って音を遅延させているのに対して、デジタルは数値変換させて正確に音を遅延しています。
イメージとしては、おおまかな作用のアナログに対して、正確な作用のデジタルという感じです。ディレイタイムを細かく計算して、U2のエッジのように付点8分音符を使ったギターを弾くならデジタルの方が向いています。それに対してアナログディレイには、独特の暖かみがあります。
どちらがいいか悪いかではなく、バンドサウンドに合っているか否かで、良さは変わってくるので、好きな方を選ぶのがいいと思います。最近では、DD-20の後継機DD-500などが出ていて、デジタルディレイを買うならこちらがおすすめです!
アナログディレイの逆襲!高価になってしまった理由とは?
浅井健一の使用でプレミアのついたBOSS DM-2
1990年代後半あたりから、徐々にアナログディレイの価格が上がってきました。心臓部であるBBD素子があまり作られなくなった影響と、有名なミュージシャンがアナログディレイを使っていたために、プレミア価格が付くようになってしまったのです。
日本では、ブランキー・ジェット・シティの浅井健一が、BOSS DM-2を使っていました。そのために価格が上昇し、一時期は2万円以上のプレミアものとなっていました。この時、すでにバンドの事情からデジタルディレイに乗り換えていた筆者は、あっさりとAD9を1万4,000円で売却し、後に死ぬほど後悔します(涙)。
エフェクターメーカーも、生産終了していたアナログディレイを復刻させていきました。MAXON(IBANEZの国内バージョン)は、AD900というアナログディレイを販売し、これまた浅井健一が使って有名になりました。
国内でのアナログ祭りにうんざりした筆者は、ますますデジタルに傾倒し、DD-20を購入するのですが、本当はアナログディレイの良さにはずっと気付いていました(ホントかよ!)。
ただ、当時の音楽性にはデジタルディレイは必須でしたし、アナログディレイの流行もすぐに廃れるだろうと思っていました。しかし、5~7年くらいは価格の高騰はなかなか収まらずAD9を売って違う機材を買ったことを後悔しました。
最近では、これまたIBANEZからADMINIという8,000円くらいで買える安価なアナログディレイが出ています。他には、MAXONからもAD10というアナログディレイが販売されています。
前述のBOSS DM-2の発展型ともいえるDM-2Wや、MXRからM169カーボンコピーなどのアナログディレイは、適正価格の新型が増えてきています。こういう健全な状況なら、またアナログディレイに回帰してもいいかもしれません。
ギターの関連記事はこちら
ピンバック: MAXON SD-9:隠れ名器と呼ばれるディストーション! | K.T Dogear+
ピンバック: BOSS DS-1:定番のディストーション! | K.T Dogear+
ピンバック: VOX V847:ワウペダルといえばVOX! | K.T Dogear+
ピンバック: マルチエフェクターは使えるのか?:デジタル機材の長所と短所 | K.T Dogear+