2021年春アニメを評価!ゴジラにカブ、転スラにバックアロウまでの前編

今回は、2021年の春アニメのレビューをやっていきます。今回の前編ではゴジラSPや、スーパーカブに、転スラ日記やバック・アロウを紹介していきます。

目次 この記事の内容

  • 意外と豊作だった春アニメ
  • ゴジラ S.P<シンギュラポイント>
  • スーパーカブ
  • 転スラ日記
  • バック・アロウ

意外と豊作だった春アニメ

今季は、意外なことに予想以上にいいアニメが揃っていました。ゴジラや、Vivy、86、SSSS.DYNAZENONというSFものから、スーパーカブという日常系までバラエティに富んだ内容でした。2021年の冬アニメから継続しているアニメとしては、バック・アロウがあり、2クール目の合間という形の転スラ日記などもありました。

後は、セスタスやMARS REDという作品もありましたので、合計すると9作品も最終話までみたことになります。例によって5段階評価で星1〜5までですが、基本的に星3相当のアニメくらいしか、最後まで視聴しないので、よほどのことがない限り3以下にはなりません。

https://youtu.be/o8yTJ_6B-XY

筆者によって投稿されたこの記事の動画バージョンです。

この評価はあくまでも、筆者の主観です。長年、アニメを視聴し続けている筆者の好みによって左右されます。好きなアニメはSFやロボットものなので、そういう要素を含む作品が高得点になり、逆にドラクエベースの異世界転生ものや萌え系アニメは苦手です。そういったことを踏まえて、レビューを楽しんでいただけたら幸いです。

ゴジラ S.P <シンギュラポイント>

アニメのゴジラよりも特撮のゴジラ派の筆者は当初、「ゴジラやるなら特撮映画だろ!」とこの『ゴジラ S.P <シンギュラポイント>』に否定的でした。特に”GODZILLA”という先例があるだけに、今更アニメシリーズでゴジラというのも、なんだか乗り気になれない要因の一つでした。

しかし、1話目でいきなり度肝を抜かれました。というのも、ゴジラが全然出てこないし、単体のアニメとしてかなり丁寧に作り込まれていて、今までのゴジラとは文脈が違うのに、特撮ものの系譜もしっかり受け継がれているように感じたのです。

しかも、シリーズ構成があの円城塔ということなので、SFマニアとしては注目せざるを得ませんでした。円城塔は、伊藤計劃と友人関係の作家で、特にSF界隈では知る人ぞ知る存在だったのです。

また、アニメーション制作は、エウレカセブンなどで知られるボンズと、CGの得意なオレンジの共作ということで、1話目から質の高いアニメであることには間違いなく、これも視聴を続けた理由となっています。

2人の頭脳派の主人公ということで、かなり頭脳戦主体かと思っていましたが、意外にもアクションてんこ盛りで、エンタメ方向にも面白い作品でした。円城塔らしい絶妙な伏線と、怪獣の演出のうまさが光りました。

タイトルにもなっているゴジラの登場は実は3話からですが、実質的に6話でようやく全体像が見えて、7話目以降から東京にて甚大な被害を引き起こすという展開になります。

ジェットジャガーは、1973年の特撮映画『ゴジラVSメガロ』に登場したロボットです。ゴジラ S.Pでは、オオタキファクトリーの開発したロボットということになっていて、当初は数メートルクラスで、有人操縦のロボットでしたが、人工知能によって自律型のロボットになり、徐々にパワーアップされていきました。

このジェットジャガーと主人公の一人の有川ユンをはじめとしたオオタキファクトリー側と、神野銘という、アラレちゃんっぽいもう一人の主人公サイドとで破局を止めることになっていきます。

1クール12話で見事に描き切り、最後は大団円で終わりましたが、なんと!メカゴジラっぽいのが最終回に登場しました。監督は、高橋敦史星は4.5で、佳作以上の名作認定です。

スーパーカブ

『スーパーカブ』は、トネ・コーケン原作のライトノベル作品で、『ホンダ・スーパーカブ総生産1億台記念作品』というふれこみが印象的でした。バイク乗りである筆者も、原作は未読でしたが、とても楽しみにしていたアニメです。

ぶっちゃけ、日常系バイクアニメというジャンルに、ものすごく新鮮な感じがしました。平凡な女子高生の小熊が、ホンダ・スーパーカブ50を手に入れることで変わっていく日常を描写したものです。

このアニメ、何気に凄いことをサラっとやっています。特にカブのエンジン音はホンダの全面協力のもと、実車のものが使われており、原作者所有のカブの音まで録られているという徹底ぶりでした。


背景描写にもこだわりが見られ、実際の道路や土地の標識はもちろんのこと、景色なども丁寧に描かれています。展開的には、リアルな日常の中でカブという、キーワードで繋がりのある女子高生3人の話が展開されるというものです。1クール12話で、よくまとめられていて、星は4、佳作認定です。

監督は”PSYCHO-PASS サイコパス 2″で作画監督をしていた藤井俊郎、アニメーション制作は3DCGアニメに定評のあるスタジオKAI、キャラクターデザインの原案として小説版で挿絵を担当している博(ひろ)で、キャラデザ、総作画監督として今西亭です。

転スラ日記

『転スラ日記』は、『転生したらスライムだった件』のスピンオフで、ラノベ原作の異世界転生ものという筆者が一番苦手なジャンルのアニメです。元々のラノベ原作の後に、が漫画として描いたものがベースとなっており、転スラアニメ1期の終盤〜2期の途中までの時系列の話となっています。

文化的な背景をあまり持たない魔物を統率することになった主人公のスライム、リムルが国を作り、元の世界の日本文化を浸透させていくという話です。これが人間の国でやったら反乱が起きているだろうなと思いました。というのも異世界といえども、その土地固有の文化があり、それを軽視して統治はできないからです。

特にテンペスト周辺の人間の国は、西洋的なファンタジー世界という感じなので、いきなり日本文化全開のテンペストが出現したら、摩擦も起きるのではないかと思いました。

まあ部下の中でもゴブリン以外に数の多い、大鬼族の方も元々東洋チックな文化背景を持っていたので、テンペストにおける日本文化の広がりはある意味自然なので、そこまで問題ではないかと(大汗)。

ただ、転スラ本編を視聴していることが前提の作品なので、そこが好き嫌いの分かれるポイントだと思いました。転スラは、異世界転生ものとしては視聴を続けている珍しい作品なので、個人的には好きです。星は3で、7月から始まる本編を期待しています。

監督は生原雄次、アニメーション制作は転スラ本編と『ナイツ&マジック』のエイトビットです。

バック・アロウ

『無限のリヴァイアス』、『コードギアス 叛逆のルルーシュ』”ID-0″など数々の名作ロボットものを手がけてきた谷口吾朗監督の最新作、『バック・アロウ』はロボットアニメ好きの筆者からすれば、かなり期待していた作品でした。

周囲を壁に囲まれたリンガリンドという世界で、主人公のバック・アロウが壁の外からやってきます。ブライハイトと呼ばれる信念が形作るロボットのようなものがあるのですが、バック・アロウのブライハイト、ムガは他のものと異なります。

というのもブライハイト戦で敗退すると搭乗者は死ぬのですが、ムガが倒した場合は死なないからです。バインドワッパーと呼ばれるリングを腕にはめて変身?するのですが、この設定が従来のロボットアニメと大きく違うポイントでした。

途中から、際限なく能力が肥大化していき、陣営もコロコロ変わっていきます。最終的には、壁の中の世界を管轄する神との戦いになるのですが、風呂敷を広げすぎてしまった印象があります。星は3です。

設定など作り込んでいた分、残念な出来になってしまったのは、シリーズ構成の中島かずきが2クールにしては壮大なストーリーを考えてしまったためでしょうか?アニメーション制作はスタジオヴォルンです。

後編へ続く

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