今回は、2021年の1月〜4月までの冬アニメを総括してみます。星1〜星5までの5段階評価で、今季アニメをレビューしていきます。星5が覇権クラスの名作認定、4は佳作、3は普通、2以下は駄作になります。
目次 この記事の内容
- Dr.STONE
- 裏世界ピクニック
- 無職転生〜異世界行ったら本気だす〜
- たとえばラストダンジョン前の村の少年が序盤の街で暮らすような物語
Dr.STONE
画像は公式ページより
“Dr.STONE”は、週刊少年ジャンプに連載中の、稲垣理一郎原作、Boichi作画による漫画を元にしたアニメです。2019年に1期24話が放送され、今季では1クール11話で第二期が放送されました。
第一期はSTONE WORLDの到来と、石神村の話まででしたが、今回はSTONE WARSという、獅子王司率いる司帝国VS石神千空率いる科学王国との決戦を描いています。
ぶっちゃけ、ここまで技術が退化したストーンワールドで、いくら科学知識や発明に長けた高校生の石神千空がいたとしても、これほどテックレベルを回復させるとは考えにくいです。
しかし、地道な積み重ねと考証を重ねた科学のおかげからか、石器時代くらいまで落ちたテックレベルで、車や通信機作るという奇想天外さにも慣れてきました。千空がクロムという科学使いと、カセキという職人と組んで、様々な近代技術を発明というよりは復刻していくというのも、見所となっていました。
しかし、2期のメインはSTONE WARSで、司帝国との戦闘がメインとなっています。世界最強の獅子王司と、その強さに近い氷河という2人を筆頭に、戦闘能力や身体能力に長けた集団VS科学王国という構図は、結構熱いものがありました。
ぶっちゃけ、内部からの協力者がいたとしても、無血決着というのはなかなか難しいのですが、司がダイナマイトを久造した千空と妹の石化の解除と病気の治療を条件に、停戦に応じるという、科学王国の目指した勝利に近いエンドでした。
しかし、氷河の裏切りによって重症を負った司を助けるために、石化の謎を追求するために大海原に乗り出すというのは、ここから更に核心に迫るというところで終わりました。
https://youtu.be/W6yTY4irJ00
筆者が投稿したこの記事の動画バージョンです。
ナレーションを担当されていた石神白夜役の藤原啓治さんが、2020年4月に亡くなられました。エウレカセブンのホランド役や、ガンダム00のアリー・アル・サーシェス役など渋い声のキャラクターで馴染みのある声優さんだけに残念です。まだ55歳でした。2期は藤原さんに敬意を表して、ナレーションが無くなっています。
アニメーション制作は、老舗のトムス・エンタテイメントの制作8班であるTMS/8PNです。監督は、メイドインアビスで助監督をしていた飯野慎也で、シリーズ構成は木戸雄一郎で、星は4つです。
裏世界ピクニック
画像は公式ページより
『裏世界ピクニック』は、早川書房から刊行されている宮澤伊織の同名小説が原作のアニメです。裏世界とは、フォークロワ(民俗学)的な都市伝説をベースにした現世とは異なる異世界のことです。
主人公の空魚(そらを)と鳥子(とりこ)の2人が、裏世界で知り合って、探索していくという話で、ネットロアに基づくような題材の事件に巻き込まれていきます。鳥子は、行方不明になった家庭教師の冴月(さつき)を裏世界で探しています。
ぶっちゃけ、最初はそこまで期待していなかった作品なのですが、徐々に引き込まれていき、最後まで視聴しました。1クールの間に、キリのいいところで終わっていて、小説原作にしては理屈っぽくなくて見やすい作品でした。
裏世界の光景も、現実と鏡写しのようになりながらも、廃墟っぽかったり、田舎のさびれた風景だったり、たまにビーチだったり(笑)、毎回違った感じで楽しめられました。
百合っぽい部分もありましたが、あっさり目なので気にせず見られました。ほとんど男性が出ない作品(米軍関係でちょこっと登場)なので・・・。ホラーテイストもそこまで濃いものではなく、スプラッターなものが苦手でも、そこそこ楽しめられるようになっています。
対照的に重度のホラー好きだったり、もっと濃い百合が好きな人には合わない作品のように思えました。つまり、裏世界ピクニックという作品は、醤油ラーメンや塩ラーメンのような薄味のテイストで、絶妙なバランス感覚の作品です。
アニメーション制作は、ライデンフィルムとFelixFilmで、監督とシリーズ構成は『RErideD-刻越えのデリダ-』の佐藤卓哉で星は3.5です。
無職転生〜異世界行ったら本気だす〜
画像は公式ページより
異世界転生だとか、ドラクエ型のファンタジーものが苦手な筆者ですが、この『無職転生〜異世界行ったら本気だす〜』は、毎週楽しみにしていた作品です。元は、なろうで連載していた理不尽な孫の手原作の同名小説ですが、作画の質が高く、この作品に賭けるスタッフの意気込みが伝わってくる出来のアニメでした。
ストーリーは元34歳引きこもりニートの男性が、トラックに轢かれたことによって異世界に転生し、子供からやり直すというものです。
なぜか異世界では、ルーデウスという魔法に才能のある子供の転生するのですが、本人が努力して魔法を身につけたり、語学に堪能になったりするというくだりがあるので嫌味にならないです。
深夜枠なので、オッケーなのかもしれませんが両親やロキシー師匠のちょっとエッチなシーンもあったりします。しかし、世界観がかなり作り込まれていて、ルーデウスが才能と努力によって子供にしては、高い魔法の力と知恵で困難に立ち向かっていく展開は熱いものがありました。
ヒロインの一人、エリスの強烈なツンデレは、エヴァのアスカからきているように思えました。登場した直後のかなりのバイオレンスっぷりには、正直最初はドン引きしていましたが、その原因は祖父の偏った性格からきているように思えました。
今季は1クール11話で話の途中で終了しましたが、ある程度キリのいいところだったと思います。アニメ制作は、なんと2018年に設立されたばかりのスタジオバインドで、監督とシリーズ構成は岡本学です。星は文句無しに4です。
たとえばラストダンジョン前の村の少年が序盤の街で暮らすような物語
『たとえばラストダンジョン前の村の少年が序盤の街で暮らすような物語』という長いタイトルは、サトウとシオ原作の同名ラノベのアニメです。ここからは、略称のラスダンで書いていきます。
ドラクエベースのファンタジー作品という筆者が一番苦手なジャンルです。実際には最強クラスの能力を持つ主人公、ロイドがコンロン村という最終ダンジョン手前のクラスの村で弱かったというだけで、謙虚な態度を取っているというギャップが面白くて視聴していました。
ぶっちゃけ、ギャグ要素の強い部分が多いので、ドラクエチックな世界観でも観られたのかもしれません。ヒロインの一人であるセレンのヤンデレとか、色々な要素がかなりコミカルに描かれています。
作中にゲームっぽいBGMが多いのも特徴で、どこか可愛らしいデザインのモンスターとか、かなりドラクエ意識しているように感じました。1クールでしっかりとキリのいいところまでやっており、結構楽しく視聴しました。ただ、本格ファンタジーが好きな人には、ちょっと合わないかもしれません。
アニメーション制作はライデンフィルム、監督はmigmi、シリーズ構成は『同居人はひざ、時々、頭のうえ。』の赤尾でこ(三重野瞳)で、星は3になります。
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