パシフィカ612のライバルとなる初心者向けギター

先日、試奏してますますコスパの高い優秀なギターであることが判明したヤマハのパシフィカ600シリーズですが、今回はライバルとなる同価格帯のギターを特集してみます。目安としては、5〜8万円を出せば新品で買えるギターです。

目次 この記事の内容

  • 初心者にとって最適なギターとは?
  • PRS SE Custom24
  • Fujigen NST10
  • Fender Player Series Telecaster
  • 充実の初心者向けギターのラインナップ

初心者にとって最適なギターとは?

ヤマハ パシフィカ612

筆者ことtkd69が、初めてエレキを購入した時、当時は情報も少なく、ギターマガジンなどの雑誌でギターのことを調べていました。バイトして5万円貯めてから、イシバシ楽器で初めてのエレキを購入することにして、中古で3万5,000円で売られていたフェンダー・ジャパンの57Vin仕様のストラトキャスターを購入しました。

ついでに、9,000円くらいで売られていたIbanezのトランジスタアンプも購入し、ストラップやら弦やら買った覚えがあります。定価が7万円のギターだったのですが、練習している間に、フレットが減り、ハイフレットで音詰まりが発生したため、1年くらいでギブソン・レスポールに買い替えました。

初心者には、フレットの摩耗の有無、パーツ交換のノウハウなどありません。ですので、新品のギターを購入することが一番だと思います。また、高価なギターをいきなり購入するのは、ギターのタイプの向き不向きが判断できない状態ではオススメできません。

かと言って、初心者用ギターセットのような定価が3万円以下のものはパーツの耐久性や、組み込み精度などが心配なものが多く、上達してくると物足りなくなってしまいます。

そこで、今人気のあるヤマハ・パシフィカ612のような6〜7万円で上級モデルのような外観と質を持ったエレキギターをオススメしています。今回は、パシフィカの対抗馬となりうる同価格帯のギターを紹介していきます。

PRS SE Custom24

PRS SE CUSTOM24

PRSことポール・リード・スミスの本社のアメリカで生産されているコア・モデルは高級ギターとして有名です。カルロス・サンタナの使用で有名になり、1990年代以降のロックに欠かせられない第3のギターメーカーとなりました。

特徴は、フェンダーのレギュラースケールと、ギブソンのミディアムスケールの間のスケールである、25インチという規格になっています。今まで多かった、22フレットのギターだけでなく24フレットのギターも多いです。

また積極的にコイルタップする機能を持たせて、ハムバッキングPUの厚みのあるトーンと、シングルコイルのジャキンとしたトーンまで守備範囲の広い多彩な音色を持っています。

代表的なカスタムシリーズは、マホガニーのセットネックに、マホバック、トップメイプルといったギブソン・レスポールを踏襲したような材の構成をしています。美しい杢目の出たトップメイプルのアーチトップや、バードインレイといった高級感があり、3〜40万円くらいするのが通常のカスタムシリーズです。

2001年から、廉価バージョンとしてSEというモデルが生産されるようになりました。この当時は韓国で生産が始まり、ネック材をメイプルにして、バードインレイではなくドットインレイにしたり、アーチトップの曲面の角度を工作しやすいものにしたりして、コストを下げていました。

見た目は、どちらかというとCEのような雰囲気だったSEですが、現在のモデルではバードインレイが施されたりしているので、通常のカスタムとの違いが外観では区別できないほどの上質さがあります。また、2019年以降からは韓国だけでなく、インドネシアにも工場が出来ました。

オススメは、PRS SE CUSTOM24というギターで、2020年モデルの定価は11万円しますが、楽器店の特価品などで8万円台のものが探せばあります。また、オールマホガニーボディのスタンダードならば、さらに数万円安いです。

メタルなどのヘヴィなリフにも対応出来る、ハムバッキングPUの重厚なトーンから、タップさせてカッティングに適したトーンまで出せる万能ギターです。パシフィカがフェンダー系のストラトキャスターから派生した万能ギターなら、PRSはギブソンを意識した守備範囲の広いギターです。

Fujigen NST10

出典 https://mi.fujigen.co.jp/ Fujigen NST10

国産で質が高く、安価なギターが欲しい!という人には、FujigenことFGNギターをオススメしています。フジゲンは、1980年代のフェンダー社の再建に貢献した技術力の高い国産メーカーです。

CFSことサークル・フレッティング・システムと呼ばれるチューニングのピッチを正確にする独自のフレッティングシステムや、タイムレスティンバーと呼ばれる湖から引き揚げた年輪のある木材を使っていることがフジゲンの特徴です。

フジゲンブランドのギターは国産の中でもコストパフォーマンスが高く、推奨するNST10は定価9万3,000円ですが、楽器店では値引きされているので8万円くらいで購入できます。

なぜトラディショナルなNST10を勧めるかというと、ストラトの通常の形のギターというのは、オーソドックスに使えるからです。初心者でもリアハムのいわゆるHSS配列のギターが使えないことはないのですが、ストラトのオーソドックスなスタイルといえば、やはり3シングルコイルの構成だと思います。


NST10は、アルダーボディの平均的なストラトといった趣きのギターです。フレットは22まであり、低めにジョイントされたネックの恩恵でハイポジションでの弾きやすさもあり、現代的なリファインがされています。

また、最近のモデルでは高級ギターに採用されることの多い、コンパウンドラディアス指板を採用し、ローポジションではコードを弾きやすくするためRを少しつけて、ハイポジション側はフラットにすることでプレイアビリティの高いリードが弾けるようになっています。

流石に塗装はポリ・ウレタンですが、初心者にはラッカー塗装は管理が難しいので、NST10の方が向いていると思います。

Fender Player Series Telecaster

出典 https://www.digimart.net/  Fender Player Telecaster

フェンダー・メキシコで生産されている、標準的なテレキャスターである、プレイヤーシリーズは安価でも扱いやすい初心者向けのモデルです。こちらのテレキャスターは22フレットに、現代的なCシェイプネックで弾きやすく、品質にも定評のあるメキシコのエンセナダ工場で製造されています。

プレイヤーシリーズは、アメリカン・スタンダードのような現代的なアレンジの加わったモデルで、6万円台で購入可能なリーズナブルなギターです。かつてはスタンダードシリーズとも言われていました。

プレイヤーテレキャスターは、アルダーボディに6wayサドルのいわゆるオクターブのピッチを合わしやすい構成になっています。シンプルなテレキャスターは、初心者にもオススメしやすいギターです。

シンプルさ故にテクニックを磨きやすく、フェンダーブランドを手軽に感じられるプレイヤーシリーズはオススメのギターです。

充実の初心者向けギターのラインナップ

出典 https://www.digimart.net/  Fender Player Telecaster

今回はPRSやフジゲン、フェンダー・メキシコといった色々なメーカーからハムのギター、ストラトタイプ、テレタイプとそれぞれソリッドギターとして標準的な仕様のギターをチョイスしました。

ぶっちゃけ、初心者がいきなり店で試奏は無理なので、好きなギタリストが使っているとか、形が気に入ったとかいう理由で選んでも問題ないと思います。かくいう筆者も最初のストラトは、ジミヘンとクラプトンが使っているからという理由で選びました(大汗)。

筆者の投稿したこの記事の動画バージョンです。

ただ、最近は国産のギターの価格が上がってきていて、PRSやヤマハのように韓国や東南アジアで生産するケースも増えてきています。フェンダー・メキシコも徐々に定番化しつつあり、プレイヤーシリーズなどは初心者向けにいいギターだと思います。

唯一の国産ギターのフジゲンのように、頑張って国内工場で作り続けるメーカーもあります。選択肢は少なくないので、実際に自分が気に入ったギターで始めるのが一番だと思います。しかし、新品でこの価格帯のギターは、長く使えて質もそこそこあるので特にオススメしています。

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