西宮にライブに行くついでに、ららぽーと甲子園の2階にある島村楽器に寄りました。以前から気になっているHistoryのストラトタイプを試奏してきました。今回試したのは、新型のHS-SVではなく旧タイプ特価のTH-SVの方です。
目次 この記事の内容
- フジゲンは世界No.1のギターの生産量を誇ったメーカー
- ヒストリーのストラトタイプ
- History TH-SV
フジゲンは世界No.1のギターの生産量を誇ったメーカー
History製のレスポール
フジゲンことFUJIGENは、日本のギターメーカーとして、これまでOEM(他社ブランドの製造)を主に請け負ってきました。オリジナルブランドFGNギターは、値段以上の品質があります。
1980年代のジャパンビンテージは、フジゲンがOEMで製造したギターが多く、今でも愛好家がいるほどなのです。また、1983年の最盛期には月産14,000本という驚異的な生産量を誇り、世界No.1となりました。
1980年代後半のギターメーカーの老舗FENDER社の再建に対して、フジゲンが技術支援した話は有名です。現在のフェンダーUSAのコロナ工場の設立や、フェンダーメキシコの創設、フェンダー・ジャパンのOEM製造など、フジゲンのフェンダーに対して果たした役割は大きかったのです。
しかし、バブル崩壊後は新興国などにシェアを奪われ、フェンダー・ジャパンとメキシコの株も売却しました。2000年代からトヨタのウッドパネルの下請けなどで、業績を回復しつつ、FGNブランドのギターや、島村楽器のオリジナルブランド、Historyの製造などをしています。
フェンダー・ジャパンの1982年〜1997年のモデルの製造をしていたということは、筆者(tkd69)が最初に買ったフェンダー・ジャパンのストラトは、フジゲン製だった可能性が高いです。
最近になってHistoryのES-335タイプのギターを試奏してから、かなりFGNブランドを意識するようになってきました。しかし、安いモデルは置いているのですが、ラッカー塗装などを施しているFGNの上位モデルは楽器店で見つかりません。
そこで、フジゲン製のギターHistoryを販売している島村楽器に寄ってみたのです。島村楽器オリジナルブランドだけに数を置いているだろうとの判断でした。
ヒストリーのストラトタイプ
ずらりと並んだHistoryのストラトタイプ
ぶっちゃけ、ららぽーと甲子園に行くのは初めてなので、甲子園球場から向いました。大阪から甲子園に行くには、西九条もしくは難波で乗り換えが出来ます。思ったよりも早く到着し、スマホナビを使って、ららぽーとまで歩きました。
島村楽器は、2階にありららぽーと内で少し迷いました。ギターのバラ弦やピック、9V電池など購入予定だったので、気楽に試奏できる状況でした。以前からSGの調整に時間がかかっていることもあり、ストラトキャスターの購入も考えています。
長い間、Heritageのレスポールタイプをメインにしてきたのですが、最近になってフェンダー系のギターとの相性が良くなってきたような気がするので、ストラトも試してみたくなったのです。ぶっちゃけ、ストラトは色々使えるギターですので、1本あると便利です。
ストラトは、シングルコイルを3つ搭載しハーフトーンと合わせると5種類のトーンが使い分けられます。シンクロナイズド・トレモロがあるので、アーミングも可能です。イナーシャブロックによるサスティンの長さや、ダブルカッタウェイによるハイポジションの弾きやすさもポイントで、明らかにテレキャスターとは異なるギターです。
店内には、アコギやピアノなどが手前のブースに展示されていました。エレキギターは、奥にありお目当てのHistoryは、かなりの数が置いていました。元レスポール使いとしては、レスポールも気になったのですが、初志貫徹でストラトタイプを見に行きました。
ラッカー塗装の最新のストラトタイプHS-SVは高く、19万円以上しました。また、この価格帯でギグバックというのも時代の流れでしょうか・・・。しかし、1本だけ残っていた旧モデルのTH-SVは12万9,000円でハードケース付属でした。
フジゲン特有のサークル・フレッティングシステムに、タイムレス・ティンバーと呼ばれる高級な材が特徴的です。この2つを謳い文句にしていたら、間違いなくフジゲン製です。サークル・フレッティング・システム(C.F.S)は、より正確なピッチを実現するために、円弧状にフレットを加工しています。
タイムレス・ティンバーは湖に沈んでいた樹齢200年以上の上質の木材のことです。これらのこだわりにより、鳴りのいいギターを製造することが可能になっているのです。
筆者が最初に買ったブラウニーのような2TSではなく3TSでメイプル指板の60年代風のアルダーボディのストラトタイプです。ぶっちゃけ、好みのストラトなので試奏させてもらうことにしました。
History TH-SV試奏
今回弾いたTH-SV
最初にネックを握って思ったのは、薄すぎず太すぎない丁度いい感じでした。指板はグロス仕上げではなく、少しざらざらしたサテン仕上げでした。ここは、好みの分かれるところですが、筆者は好感触でした。
マーシャルは、あまり調子が良くないとのことだったので、ジャズコに繋いでドライブトーンはライブ用に持参していたBOSS DS-1で確認することにしました。ストラトを弾くのは3年ぶりだと思います。
最初にクリーンから弾いてみたのですが、ストラトらしいチャリチャリしたトーンです。ストラトの場合、センターを一番よく使うので、真っ先にセンターのトーンから確認するようにしています。
クリーンで弾いてみた結果、バランスのいいトーンだと思いました。JCとの組み合わせとの相性も良く、スタジオなどでも活躍してくれそうな感じがしました。
BOSS DS-1を踏んでみると、ストラトらしい明るめのドライブトーンが素直に出てきました。クセのないトーンで、カッティングからリード、リフまで死角なく使える印象でした。
以前使っていたフェンダー・アメリカン・57ビンテージのストラトは、配線をベルデンに、コンデンサーをオレンジドロップに改造していたので、音抜けが良く、ブースターを踏めば太い音も出ました。
ヒストリー TH-SVは、ストラトらしいバランスのいい鳴りを重視しているような印象を受けました。アタック感のある少しやんちゃなアメリカン・ビンテージのトーンとは違っていましたが、これはこれで使えるギターのトーンだと思いました。
気になったポイントは、DS-1のセッティングが持参していたSG向けのままだったせいか、少しシャリシャリしていたことでした。ここは、歪みのトーン調整で補正できると思います。
また、鳴りも若いギターのため、弾き混んでいない新品っぽい控えめな感じがしました。それに、フェンダーと違って高く買い取ってくれないという点もあります。
しかし、この価格帯でこれだけ鳴れば十分だと思いました。新品のギターは消耗品関連が擦り減っていないし、弾きこんでいけば、激鳴りしそうな雰囲気がありました。フェンダーの場合、同じ価格帯だとポリ・ウレタン塗装のギターになってしまうので、この価格でラッカー・フィニッシュのギターはお買い得だと思いました。
ブランドを気にせず本物の鳴りのいいギターが欲しい人にうってつけのギターだと思いました。使い続けるとラッカー特有の経年変化で、かなり鳴るギターになりそうです。とはいえ、日本特有の気候に対応するため、下地はポリ・ウレタン使っているようで、正しくはトップコート・ラッカーということですが。
試奏させてくれた店員さんに感謝しつつ、消耗品を買ってライブのある西宮に向いました。しばらくは、SGとテレキャスターでライブしますが、ストラトも原点回帰でいいかもしれません。フェンダー・ジャパンのフジゲン製のストラトは筆者の初めてのエレキでもあったわけですから。
ギターの関連記事はこちら