MotoGP 2019 チェコGP:ドライでもウェットでも強いマルケス!

MotoGP 2019 チェコGPは、8月4日にチェコのブルノサーキットで開催されました。予選からディフェンディングチャンピオンの、ホンダのマルク・マルケス選手が他のライダーを圧倒する展開で、後半戦の序盤からポイントリーダーの強さが目立つGPとなってしまいました。

目次 この記事の内容

  • 絶妙のタイミングでのスリック交換
  • レースの開始時間の延長
  • マルケス強し!余裕のフィニッシュ

絶妙のタイミングでのスリック交換

出典 https://www.honda.co.jp/ 不安定なコンディションでも強いマルケス

今年のレースウィークのブルノサーキットは、土曜日のセッションから天候が不安定になり、雨が強く降ったり止んだりしていました。Q1から雨は止み、Q2に入るころには路面は乾き始めていました。

Q2がスタートしてから、レインで各マシンは走っていました。そこで、マルケスがスロー走行しているところに、タイムアタックをしていたスズキのアレックス・リンス選手が抜きにかかり、一瞬接触しました。そのことに怒ったマルケスが、ピットに入るリンスのGSX-RRを手で押し退けようとしていました。

お互い、ライバル心を持って挑むことは悪くないと思います。しかし、こういった行為よりもレースで結果を競って欲しいです。お互いまだ20代で若いので、闘争心があったら喧嘩くらいはするとは思いますが・・・。

マルケスと、プラマックレーシングのジャック・ミラーは、Q2残り数分というタイミングで、スリックに履き替えてタイムアタックすることに成功しました。これにより、マルケスは2位以下を2秒以上引き離す驚異的なタイム差でポール・ポジションを獲得し、ミラーは2位に入りました。

KTMのヨハン・ザルコ選手は、今シーズン初のフロントローである3位となり、LCRホンダの中上貴晶選手は、13番グリッドでした。

このタイミングしかないというところで、スリックに履き替えたレプソル・ホンダチームの底力を見ました。レプソル・ホンダは、こういったレースの流れを掴むのが本当にうまいチームです。ウェットパッチが残った状況で、転ばずに走りきるマルケスのライディングテクニックにも驚愕しました。

そして、今回のPP獲得により、世界GP時代の偉大なライダー、ミック・ドゥーハンの58回PPという記録に、マルケスは並びました。また、Moto2ではマルクの弟のアレックス・マルケス選手も兄と同じ戦略で、ポール・ポジションを取っています。

レースの開始時間の延長

出典 https://www.ducati.com/ ランキング2位のドヴィツィオーゾ選手

Moto2では、アレックス・マルケスが圧倒的な強さで優勝しました。唯一の日本人ライダー、長島哲太選手も9位入賞しました。Moto2の決勝から晴れ始め、徐々に路面は乾いてきていました。

しかし、コースの半分にウェットパッチが残っている状態でのレースを危険と判断したヤマハのバレンティーノ・ロッシ選手を始めとするライダーの抗議する様子がテレビに映されていたように、レースは40分のディレイ(遅らせること)となりました。


この間、BMWのセーフティーカーが、コースを周回し路面を乾かせていました。BMW M5、M3、M2が目立つ40分間の間、気になっていた阪神の試合をチェックしつつ待ちました。

40分待った甲斐はあって、路面は乾いて全車スリックを履いてスタートしました。マルケスが序盤から後続を引き離す展開で、2位のドゥカティワークスのアンドレア・ドヴィチオーゾ選手、3位のリンス、4位のミラーという順位でした。

マルケス強し!余裕のフィニッシュ

出典 https://www.honda.co.jp/ 圧倒的な強さでポール・トゥ・ウィンのマルケス

レースの99%は、マルケスがトップのままだったので、正直いってトップ争いはありませんでした。途中でマルケスが、一瞬ハイサイドを起こしたかのようにマシンが暴れて、外側の足が外れるほどでしたが、なんとか立て直しました。しかし、その周でも2位のドヴィとの差は縮まるどころか、開いていました。

2位のドヴィと、3位のリンスの間隔も徐々に広がっていったので、面白かったのは、終盤の3位争いで、リンスとミラーの差が徐々に縮まり、ミラーがリンスを抜いたことです。

コース幅の広いブルノサーキットならではのバトルは、3位以下で展開されていました。はっきり言ってマルケスが今回のレースでは強すぎました。

ドヴィに3秒以上の差をつけていたマルケスは、ラストラップのチェッカーを受ける前に、メインストレートに身を乗り出していたピットクルーの前をスロー走行するというパフォーマンスで締めくくりました。

ここまで強いとどうしようもないくらい、マルケスは乗れていた印象があります。特に、予選からあえてリスクを取ってチャレンジし、ライバルに対して自分の強さを誇示する必要があると判断したのでしょう。

2位にドヴィ、3位にミラー、4位にリンス、5位にホンダのカル・クラッチロー選手、6位にロッシがそれぞれ入りました。中上は9位にまでポジションを上げました。

これでチャンピオンシップは、マルケスが2位のドヴィを63ポイント差をつけてのポイントリーダーで、3位にダニーロ・ペトルッチ選手、4位にリンス、5位にヤマハのマーヴェリック・ビニャーレス選手の名前があります。

出典 https://www.honda.co.jp/ 強いマルケス兄弟 向かって左がアレックス 右はマルケス

ぶっちゃけ、マルケスが強すぎるので、後半戦に他のライダーの奮起も期待したいところです。ホンダは、そろそろホルヘ・ロレンソ選手の復帰もあるだろうし、マルケス以外の選手のポイントを加算したいところでしょう。

ドゥカティは、今回は表彰台に2台入ったので、満足そうでしたが、マルケスにドヴィが追いつくには、ポイント差が拡がりすぎたように思えます。

ビニャーレスと、ファビオ・クワッタハッホの速さがドライのレースで見られるようになったヤマハ勢や、リンスを中心にしたスズキの巻き返しにも期待しています。次のレースは、8月11日のオーストリアGPです。

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