スズキ V-Strom650:V-TWINのアルプスローダー!

今回紹介するのは、スズキのアルプスローダー、V-Strom650です。Vツインのミドルクラスデュアルパーパス車は、ツーリング適正が高いです。オンロード重視の設計ながら、フラットなダートも楽しめられる汎用性の高さが魅力です。

スズキのオフ車事情

出典 http://www1.suzuki.co.jp/

スズキのオフロードバイクといえば、昔は昭和の仮面ライダーのベース車となったハスラーシリーズがありました。公道走行可能なバイクとしては、2000年から2008年にかけて生産されたDR-Z400Sを最後に純粋な意味での公道走行可能なオフ車は無くなってしまったのです。

スズキのオフ車が国内で販売されなくなった理由の一つに、舗装路が増え、未舗装路が減少したことが挙げられます。またバイクブームのあった1980年代と比較すると、バイクの販売台数の減少もあり、250ccのトレール車の需要が少なくなったことも影響しています。

しかし、ヨーロッパを中心にアドベンチャーバイクもしくは、アルプスローダーというジャンルのバイクが売れ始めると、日本国内でも販売されるようになってきました。このジャンルのバイクは、オンロード性能が高く、オフロードはフラットダートなどを走破できる性能です。

狭い林道とか、ガレ場やマディといった本格的なオフのシチュエーションは苦手ですが、高速道路や峠といったオンロードが得意で、未舗装路もそこそこ走られます。つまり、クルマでいうところのSUV車のような性格のマシンです。

よりオフロード向きなのが、ホンダのアフリカツインで、フロントは21インチとオフを意識しています。ヨーロッパで売れているBMWのR1250GSは、フロント19インチとそこそこのオフ性能です。フロントが大径になれば、よりオフ向きとなります。17インチの場合は、オン性能を優先し、21インチはオフ性能を優先しています。

今回紹介するVストローム650は、その中間の19インチで、そこそこのダートも走られるようになっています。つまりは、ツーリングでキャンプ場に行くときなどのフラットダートなどの走破性を持ち、高速を含めたオンロードを快適に走られるのが、これらのアドベンチャーバイクというわけです。

スズキは、世界で売れているアルプスローダーに、SVなどで培った650ccのVツインエンジンを搭載したマシンを投入してきました。これから伸びてきているジャンルに挑戦した意欲作が、Vストローク650なのです。

Vツインとアドベンチャーの抜群の相性

出典 http://www1.suzuki.co.jp/

最初に生産されたのは、2002年からDL1000の名称で海外で販売されているVストローム1000です。日本でVストローム1000が販売開始されたのは、650よりも後の2014年からなので意外ですが、ヨーロッパなどでは、1000が先だったのです。

それだけ、日本のアルプスローダーブームが遅かったということになるのです。路面の大きいフラットダートが多いヨーロッパと、未舗装路は基本的に狭い林道の多い日本との違いが、このタイムラグを生んだといっても過言ではありません。

そして、DL1000がヒットしたことがきっかけで、2003年からDL650の名前で海外で販売開始されたのが、Vストローム650です。そして、Vストローム650は、2013年に10年遅れて国内販売されるようになりました。

2010年代には、日本国内でもデュアルパーパス人気が再燃してきた時期です。Vストローム650は、SV650シリーズとグラディウス譲りの水冷V型2気筒エンジンを搭載し、オンロードを快適に走り、オフもある程度こなすことのできるバイクです。

スズキのVツインは、SV650の記事でも書きましたが、とてもバランスのいいエンジンです。並列2気筒エンジンとは異なり、90度のV型に配置され、一次振動を相殺します。またスズキのデュアルスパークテクノロジーにより、1気筒あたり2本のプラグによって、スムーズな出力特性を実現しています。

Vツインのいいところは、ドコドコした低速トルクの豊富さと、高回転域までスムーズに回ることです。また、WMTCモード(実燃費に近い数値)は、リッターあたり24.2kmと優秀で、20Lタンクによって480km以上の後続距離を持っています。

フロント19インチ、リア17インチのタイヤは、フラットなオフロード走行を可能にしています。また取り回しも装備重量が212kgのため、リッタークラスのアドベンチャーモデルよりも扱いやすいです。


中低速トルクがあり、高回転も伸びるVツインの特性は、アドベンチャーバイクとの相性のいいエンジンだといえます。また、左グリップのスイッチを操作すると、3段階のトラクションコントロールが可能になっていて、ABSも標準装備されています。

よりオフロード適正を高めるために、スポークホイールと、アンダーガードに、ナックルガードを装備したVストローム650XT ABSも、2014年からラインナップに加わっています。

これらの装備は、オフロード重視のバイク乗りには必須の装備なので、ノーマルのVストローム650 ABSより、5万円高い95万円となりますが、オフを頻繁に走るのならXTが向いています。逆にオン主体なら、キャストホイールのノーマルでも充分です。

Vストロームのウィンドスクリーンは、上下3段階の調整が可能で、最大出力69PS、最大トルク6.2kgf・mのエンジンパワーによって快適に高速道路を走られるようになっています。

ツアラーとしての適正は、航続距離の長さと、高速道路の快適性とともにとても高いバイクです。オールラウンドな使い方に向いているマシンが、Vストローム650なのです。

※スズキ Vストローム650 スペック表

スズキ Vストローム650 ABS
最大出力 kW(PS)/rpm 51(69)/8,800
最大トルク N・m(kgf・m)/rpm 61(6.2)/6,500
車体サイズ mm 2,275×835×1,405
車両重量 kg 212
燃料タンク容量 L 20
使用燃料 無鉛レギュラー

650はベストバランス?

日本の公道を走る場合、250ccでは高速での追い越しではパワー不足、リッタークラスではパワーが過剰にありすぎます。400~800ccのミドルクラスバイクの場合、丁度いいパワーと取り回しのしやすい車重とサイズです。

Vストローム650は、ベストなバランスのアドベンチャーバイクです。650の定評のあるエンジンに、大きなウィンドスクリーン、ちょっとしたダートもこなせられます。また、長い航続距離があり、ツーリングに向いたバイクといえます。

逆にいうと、突出した性能を求めることはできません。250cc単気筒トレール車のような林道での走破性や、SSのようなスポーツ性能はありません。Vストロームは、オールラウンドな使い方に向いたバイクで、ツーリングや、フラットダートを楽しむなら最高の相棒になってくれます。

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