今回は、昨年のツーリングで出会ったライダーから教えてもらった十津川村の名高い神社、玉置神社に行ってきました。玉置山の頂上付近にある神社なので、思った以上に大変なところにありました。難所の数々でしたが、オフ車であるホンダ CRF250Lの軽快さと履き慣れたライディングシューズのおかげで、素晴らしい体験をしました。
思い立ったが吉日
玉置神社の駐車場からの光景
もうすぐ、梅雨に入る季節となってきました。レコーディングのおかげで、バイクであまり走っていなかったので、マスター音源が完成したお祝いに、日帰りツーリングを計画していました。
関西の15分のバイク番組で、十津川ツーリングの企画をやっていて、個人的に思い出したのが、去年教えてもらった玉置神社です。冬は山越えは不可能だし、2月の下旬からはレコーディングで忙しかったため、なかなか長距離のツーリングに行けなかったので、今になりました。
思い立ったが吉日ということわざどおりに、朝からホンダ CRF250Lで日帰りツーリングに行くことにしました。目的地の玉置神社は、奈良県の十津川村の玉置山にあります。南河内から往復で、下道中心で200km以上走ることになります。
そこで、休憩のタイミングを大幅に変更し、道の駅かつらぎではなく、国道168号線のガソリンスタンドで給油ついでに行うことにしました。ガソリンスタンドの店員さんに、168号線の道路状況など聞いてみました。
すると、大型トラック以外の交通規制はないようでした。天気も晴れているし、ますます玉置神社に挑戦する気になりました!
ぶっちゃけ、田舎の道路らしく、かなり飛ばす車が多いです。はやる気持ちを抑えて、安全なペースで走行しました。長距離をツーリングする場合、周りが飛ばしていても、焦らず自分のペースで走ることが大事です。
道の駅 十津川郷に入ると、新型のホンダ NC750Xに乗ったライダーと出会いました。どうやら、慣らしツーリングの途中のようで、慣らしが終わったら、九州に行く予定のようです。
そういえば、僕もNC750Sに乗っている頃、同じように慣らしがてら十津川から新宮にかけてツーリングしてから、九州ツーリングしました。昔乗っていたバイクと同じ系統のバイク乗りに親近感を持ちつつ、玉置神社に向かうことを告げました。
林道大谷線~玉置神社駐車場
参道に置かれていた枕状溶岩
熊野古道への道は、国道168号線を南に向かって走るのですが、今回は玉置山を目指します。道の駅十津川郷から南に走り、十津川温泉の手前の猿飼橋で左折します。左手に標識があるので解りやすいと思います。
橋を渡るすぐに左に曲がり、山を登るルートに入ります。ほとんど一車線の狭い道路なので、対向車などに注意が必要です。大台ケ原の入り口付近の狭隘な道と似ています。傾斜のきつい登りが続くので、ギアを2速に落とすことが増えてきました。
林道のように路面が舗装されていないということはなく、整備もされています。小さな落石などが残っていますが、通行できないほどではありません。ナビが途中であてにならなくなり、看板頼りに進んでいきます。途中で、2車線になり、景色が開けてきました。
林道大谷線の看板が見えましたが、舗装林道となっています。Rのきついコーナーには、ミラーが設置されているので、対向車を警戒しつつ、慎重に登っていきます。CRFは、低速トルクがよく粘り、車体が軽いので狭い舗装林道でも走りやすいです。
正直、車やバイクに乗りなれていないと厳しい道だと思いました。走られないことはないのですが、慣れないドライバーやライダーの場合、酷道で有名な暗峠のような覚悟と警戒心が必要です。車の場合、ジムニーや、ハスラーのような小さなオフロード車が走りやすい道路です。
バイクなら、車体も細いので、対向車が来ても慌てずにすみます。頂上付近の駐車場に着くころには、エンジンの熱気を左足付近に感じました。普段は、ここまで熱くならないので、相当きつい勾配だったのだと思います。CRFは、よく走ってくれました。
CRF250Lと駐車場の看板
駐車場は、とても広く、軽食の取れる店もあり、意外なほど車が駐車していました。この時点で、バイクは筆者のCRFのみでした。景色が素晴らしいので、写真を撮っていると、トイレに行きたくなりました。駐車場のトイレもよく整備されており、ここまでの険しい山道が嘘のような施設の充実ぶりに驚きました。
参道は登山のつもりで
参道の入り口にある鳥居
昔から神社へ参詣する場合は、参道をとおります。家の近所にある神社も、険しい参道を登る必要があり、その経験上覚悟していました。しかし、ここはちょっとした登山だと思った方が良さそうです。
神社のことを教えてくれたカブのライダーによると、山道を歩くつもりで行った方がいいということでした。ライディングブーツではなく、エルフのライディングシューズを履いていたのが、正解だったようです。
エルフのシンテーゼ13は、歩くのに適したライディングシューズだからです。もう少しガレていたら、トレッキングシューズが必要になりますし、オフブーツでは、この参道はきついでしょう。
参道の入り口付近
参道は、整備はされているようですが、舗装は当然ながらされていません。奥にいけば、行くほど険しくなっていきます。砂利が敷かれていた入り口近辺と違って、土の露出した山道になっていきます。玉置山の標高は、1,076mです。
ぶっちゃけ、途中の道の駅で休憩していて正解でした。ここまで険しいとは思っていなかったからです。途中で、枕状溶岩のサンプルが置かれていました。どうやらこの辺りには、枕状溶岩が多いみたいです。
そして、参道の途中で、看板があり、足の悪い人向けの傾斜の緩やかな道と普通の参道に分岐しました。もちろん、普通の参道に行きましたが、階段上にきつい傾斜があったりしたので、緩やかな方に行ったら良かったと後悔しました。
途中ですれ違った人が、必ずと言っていいくらいの頻度で、あいさつしてくれます。これは、完全に登山感覚です。濃密な森林の空気が気持ちよく、体の隅々までリフレッシュされていきます。森林浴の効果は思った以上に抜群で、南方熊楠が守りたかったものが実感できました。
明治時代末期に、神社合祀によって、多数の神社が閉鎖されてしまう危機がありました。それに反対したのが、南方熊楠を筆頭とする学者で、日本で最初の環境保護運動とも言われています。
この森林の空気の濃密さは、今までにないものを感じました。金剛山や、剣山といった登山でも感じられない空気のようなものがありました。
長い歴史を感じさせる本殿
参道を歩き始めて、十数分後に、ようやく本殿に到着しました。本殿に祀られているのは、クニノトコタチノミコトと、イザナギノミコト、イザナミノミコトといった天津神の最古の神々です。歴史を感じさせる本殿のたたずまいから、玉置神社が熊野において重要な信仰の拠点であったことが感じられます。
本殿に参拝した後、天然記念物指定されている杉の巨木の大きさに圧倒されました。樹齢3000年というとてつもない長い年月の杉の木で、一番大きなものは周囲11m、高さは50mという迫力のある杉でした。
玉置の由来は、玉石からきていて、確かに、玉石が本殿の杉の根元にも置かれていました。修験道の聖地としての側面もあり、登るのに苦労しますが、山自体をご神体としていて、とても荘厳な雰囲気のある玉置神社は、オススメのスポットです。
そして、参拝からの帰り道で、さっき道の駅で会った、NC750Xのライダーと再会しました。どうやら、興味を持って玉置神社に来たようです。
再び湯泉地温泉でほっこり
湯泉地温泉 滝の湯の駐輪場とCRF250L
せっかく来たので、温泉に寄っていくことにしました。玉置山は、標高も高く涼しかったので、体が冷えたためです。以前寄った、湯泉地温泉の滝の湯まで戻りました。前回来たときは、道の駅 十津川温泉郷に駐輪したので、少し歩きましたが、今回は滝の湯の駐輪場にバイクを停めました。
硫黄の匂いと、露天風呂から見える滝に癒され、疲れがとれました。温泉は、やはり最高です!今回は、玉置神社、湯泉温泉と盛りだくさんの日帰りツーリングでした。お金と暇があったら、ぜひ泊まりがけのツーリングもしたいです。
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