VOX StompLab ⅠB:安くて使えるベースマルチ!

新しい曲を録音する前に、今まで使っていた汎用のDIから、ベース用のマルチに変更することにしました。VOX StompLab ⅠBは、安いですが侮れない実力のあるマルチエフェクターです。

低予算での選択肢

新しいアルバム用の曲が次々と完成していき、新しいギターアンプのVOX AC15C1の特性もつかんできました。そこで、今回もベースの練習をある程度行い、ライン録音の音質向上のために新しいベース用プリアンプを購入するつもりでした。

ところが、アンプ買ったり、A/Bラインセレクターが必要だったりと、どんどんプリアンプ用の予算がなくなっていきました。最初に考えていたのは、MXR BASS D.I.や、Sansamp Bass Drive DIなどのド定番ベースプリアンプです。これらのプリアンプは、ヤフオクでも中古で1万円以上します。

今まで使っていたのは、ARTの定番マイクプリアンプ、TUBE MPです。このプリアンプ、汎用性が高くベースのプリとしても使用していました。しかし、元がマイク用だけにイコライジングを工夫する必要があり、そろそろベース用のプリアンプが必要だったというわけです。

しかし、ギターアンプのおかげで、かなり予算が削られてしまったので、色々探していると、ZOOM MS-60Bや、VOX StompLab ⅠBなどが、安価でしっかりしたアンプシュミのあるマルチだということが解りました。

マルチエフェクターには、デジタルのアンプシュミレーターも搭載されています。プリアンプの種類は多く、スピーカーシュミレーターも様々な名器をモデリングしたものが用意されています。

ぶっちゃけ、8,000円のZOOM MS-60BよりもVOX StompLabⅠBの方が値段も4,000円くらいと安かったので、こちらを買いました。別売りのコルグ純正のACアダプターも家に置いてあったし、VOX(KORG)製マルチはギターで何度も使用していたからです。

VOX StompLab ⅠBレビュー

VOX StompLab 1Bは、VOX TONELABシリーズの流れを汲むマルチエフェクターです。TONELABは、真空管を搭載していたマルチエフェクターで、KORGのマルチの技術が使われていました。

ギターで使っていたTONELAB STは、クリーンからクランチが得意なマルチエフェクターでした。ベースの場合、オーバードライブなどの歪みを使う場面は限られていて、重要なのは、クリーンのトーンだと思っています。

アンプのモデリングは、10種類です。クリーンが7、オーバードライブが3種類となっています。このあたりは、多すぎて使いにくいよりも10種類で充分です。アンペグ、ハートキー、トレースエリオットの代表的なベースアンプがベースになっています。

おそらく、VALVE1と2がアンペグのSVT-3などの代表的な真空管アンプだと思います。このC1、C2に割り当てられているバルブ1、2はオーソドックスなアンプのトーンなので、一番使いやすいです。

パネルは、英数字のみの表示で、つまみでカテゴリーに合わせて、プリセットを呼び出します。ポップの項目にして、10番がアンプのモデリングでいうとC2の標準的なトーンです。ここからいじって、自分好みのユーザーパッチを作っていきます。

10の位置で、EDITキーを押すと、各パラメーターを変更できるようになります。この状態だと一時的に、カテゴリー以外のところにつまみを動かしても、変更した設定はプリセットの状態には戻りません。

つまり、エディットモードにして、色々いじってから最後にユーザーパッチを作ってセーブするだけで、複数のエフェクターの設定が完了するということです。CABの項目が、スピーカーキャビネットとなっていて、これは12種類あります。アンプシュミレーターと、キャビネットの組み合わせで、かなり作り込めるのでとても便利です。

Driveが、エフェクターのモデリングで、オーバードライブ、ディストーション、ファズなどがあります。ただ、アンプのモデリングとは共通の項目に入っているので、単体でアンプの前に接続するときくらいしか使えません。

コンプや、エキサイター、ワウなども同じ項目のため、同時使用はできません。基本的にカテゴリーが同じところに入っているエフェクターは、どれか一つを選んで設定することしかできません。

ベースは、ギターよりもあまり同時にエフェクターを使用しないので、僕にとっては充分ですが、色々とエフェクターを同時に使うユーザーなら、違うマルチの方がいいと思います。

コーラスや、リバーブ、ディレイなどの空間系も一通り入っていて、とても音質はいいのですが、振り当てられているパラメーターが、2種類のみなので詰めたセッティングはできません。

レコーディングでは、空間系は後でDAWのプラグインでかけるのですが、もう少しいじれるパラメーターがあれば、もっと自分好みのエフェクトに仕上げられると思いました。


どうせなら、ユーザーパッチも20個と少ないので、もう少し増やしてほしかったです。まあ、今のところライン出力のみなので、9個くらいしかユーザーパッチを作っていないので、オッケーですが、ギターだったら確実にアウトでしたね(大汗)。

ただ、パッチチェンジのスピードは、かなり速くてびっくりしました!というのもKORGやVOXのマルチの最大の欠点が、パッチ切り替え時の音切れです。Stomplabでは、ここがかなり改良されていて、音切れを感じさせないほどに進化しています!

VOX V847みたいに、ゴム足のビスをゆるめて単3電池を入れるといのもマイナスです。安いのでACアダプターも別売りで、推奨されているのは9Vのセンターマイナスです。僕は純正のコルグのKA181を、TONELABの頃から愛用しているので、持っていました(笑)。

おすすめできるポイントとユーザーについて

まず、安いことです!これはかなり重要で、たかだか4,000円程度のマルチで、これだけの種類のエフェクターやアンプが使えるというのは凄いです。筆者のように宅録にベースを弾いているギタリストにはうってつけです。

次にクリーンからオーバードライブまで、アンプのモデリングが使えることです。ベースをラインで録音するには、充分以上の実力があります。ベーシストが使っても、かなりイケるのではないでしょうか?

ベースアンプを持っていませんので、歪み系に関しては、わかりませんが、アンプのリターンにスピーカーシュミをOFFにしてプラグインして、プリアンプとしても使ってみても面白いと思います。複数のエフェクターを持ち込むのが面倒なときに、威力を発揮するでしょう。

ただ、慣れれば簡単なのですが、画面に表示されるのが、数字と英語のみなので、正直言って解り辛いです。液晶画面が大きいZOOM MS-60Bの方が操作は、簡単だと思います。このあたりが、マルチに慣れた玄人向けと言われる原因です。

しかし、アナログチックなアンシュミや、安いこと、慣れれば操作もできるようになると思うので、根性と愛情があればなんとかなると思います。お金がなくて、色々機材が買えない人や、重いエフェクトボードを毎回持ち歩きたくない人にはうってつけのマルチエフェクターが、VOX StompLab1Bなのです。

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