MotoGP 第10戦チェコGPは、チェコのブルノサーキットで8月5日に開催されました。サマーブレイク明けの最初のGPとして、メーカーのモディファイが気になるところでした。ドゥカティのデスモセディチは、大幅にカウルの形状を変えてくるなど意欲的に改良しているようでした。
期待のペドロサの不発とドヴィの強さ
期待していたダニ・ペドロサ
鈴鹿8耐も終わり、長かったサマーブレイクも終了し、またMotoGPが開催されました!チェコGPブルノサーキットのフリープラクティスで、今季限りで引退するホンダのダニ・ペドロサ選手がトップタイムだったので期待していました!
しかし、予選が終わってみるとトップは1分54秒689をマークしたドゥカティのアンドレア・ドヴィツィオーゾ選手で、2位にヤマハのバレンティーノ・ロッシ選手、3位にポイントリーダーのホンダのマルク・マルケスという結果でした。
ペドロサ選手は、トップから0.8秒差の1分55秒474で10位とふるわず、鈴鹿から帰ってきたばかりのホンダの中上貴晶選手は20位と下位に甘んじることとなりました。
ドヴィ・ロレンソ・マルクの三つ巴
レース序盤は、ドヴィ、ロッシ、マルケスがトップ3を形成し牽制し合っているように見えました。ドヴィのペースが上がらず、セカンドグループもトップグループと合流して長い集団が形成されていました。
1周目でヤマハのマーヴェリック・ヴィニャーレス選手とホンダのステファン・ブラドル選手が転倒しました。
12周目に3位を走っていたロッシが、ホンダのカル・クラッチロー選手に抜かれて3位に、14周目もドゥカティのホルへ・ロレンソ選手に抜かれて4位にポジションを下げました。
レース終盤、ロレンソがクラッチローを抜いて3位に上がると、ドヴィ、マルクとトップ争いを展開していきます。ストップ・アンド・ゴーの多いブルノでは、ドゥカティのデスモセディチの加速の良さが目立っています。
ロレンソは、先行逃げ切りが得意なライダーですが、今回は逆に終盤にタイヤを温存したようです。ホンダで孤軍奮闘のマルケスは、マシンパワーの差で劣勢に立たされている様子がはっきりと伝わってきました。
ドヴィツィオーゾ・ポール・トゥ・ウィン!
優勝したドヴィツィオーゾ選手
レースは結局、ドヴィが圧巻のポール・トゥ・ウィン!2位にロレンソ、3位にマルケス、4位にロッシ、5位にクラッチローという順位でした。ペドロサは8位、中上は17位とふるわず・・・。
サマーブレイク中に開発した新型カウルの恩恵もあって、ドゥカテイは1、2フィニッシュという結果が出ました。ヤマハは、ビニャーレスの転倒と、ロッシの4位が最高位と、厳しい状況は続きます。
ポイントリーダーのマルケスは、これで2位のロッシに51ポイント差をつけました。ランキング3位だったビニャーレスは、ドヴィに抜かれ4位に転落し、ロレンソにも4ポイント差まで詰められてしまいました。やはり、ビニャーレスの転倒ノーポイントは痛かったということです。
共通ECUや、ミシュランタイヤという要素のおかげで、これだけヤマハが弱くなるとは思いませんでした。ビニャーレスの伸び悩みや、ロッシの力の衰えもあるのかもしれません。サテライトチームのヨハン・ザルコ選手をワークス並みの待遇で扱わなかったことが、悔やまれるのではないでしょうか?
ザルコ選手は、来シーズンヤマハからチームごとKTMに移籍することになります。ドゥカティは、ロレンソが来シーズンからホンダに移籍するので、セッティング能力に長けたライダーが抜けるということになります。
ホンダはRC213Vのパワー不足を露呈してしまい、ドゥカティには安定性がありません。そんな中、確実に言えることはマルケスとドヴィとロレンソが、速さの点で抜き出ているということです。どこのマシンにも問題はありますが、ライダーの能力でなんとか出来てしまっているチームが勝利しています。
マルケスは無理に仕掛けず3位をキープしました。これにより、チャンピオンに向けてまた一歩前進したといえるでしょう。心配なのは、レース後半に弱いロッシとヤマハです。このままだとドヴィに抜かれるのは時間の問題かもしれません。次のレースは来週12日の、第11戦オーストリアGPです。
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