森友問題に関する公文書改竄は、明らかに安倍政権の責任であり、国民は一刻も早い安倍内閣の辞任を求めています。こんな時期でも、平気で憲法改正の議論をする自民党に反吐が出ます。
■この期に及んでまで憲法改正
そして、3月22日に陸上自衛隊は、陸上総隊を新設し、各方面隊を一元化することにしました。これは、かつての日本陸軍の暴走を懸念し、各地方毎の方面隊を一つの指揮系統で統合することのなかった陸自の戒めを忘れた出来事です。
旧日本陸軍は、満州事変や盧溝橋事件からの日中戦争など、第二次世界大戦に繋がった要因を作っています。軍部の暴走というには、あまりに稚拙なやり方であり、シビリアン・コントロールが完全に無効化したために起こった事態でした。
陸上自衛隊は、1954年の設立以来、5つの方面隊に分散しており、各方面総監が、それぞれ指揮をとっていました。フレキシブルに有事に対応するため、といえば聞こえはいいのですが、安倍政権下で様々な改変があった流れからすると、別の意図が見え隠れします。
■安倍内閣と自衛隊に関する法案について
主力戦闘機F-15Jイーグル
第1次安倍内閣時の、2007年に防衛庁は、防衛省に昇格しました。これは、日本会議国会議員懇談会のメンバーだった安倍による第一の布石です。
第1次安倍内閣は、幸いにして1年と持たずに解散となりました。閣僚の不祥事や、失言が相次いだことと、年金記録問題のおかげで支持率が下がったためです。
しかし、2012年12月に第2次安倍内閣は発足しました。そして続く2014年からの第3次安倍内閣において、安倍と日本会議国会議員懇談会は、次々と自衛隊に対して権限を拡大する法案を可決していきます。
まず、武器輸出三原則を改め、防衛装備移転三原則とし、武器の輸出を原則認める方針となりました。
2015年2月、自衛隊の海外派遣に関する恒久法制定、同年同月、他国軍への後方支援としての武器輸送・弾薬提供の解禁、2015年2月武器使用新基準の策定、多国籍軍治安維持部隊への参加の検討、2015年10月、防衛装備庁設置と、立て続けに自衛隊の活動を拡大する法案や政策を実行しました。
2015年の6月には、防衛省設置法12条の改正により、背広組(文官)と制服組自衛官との関係の変更が行われました。従来は、官房長と局長が幕僚長の上に存在し、文官が自衛官の上にあってシビリアン・コントロールをより強固なものにしていました。
安倍政権は、この文官が上位にくる制度を改め、有事の際は幕僚長が、政治に関することは、内局官僚が防衛大臣を補佐するという形にしたのです。要は、文官と制服組を同列に扱うということです。
そして、集団的自衛権を付与する安保関連法案を2015年9月にろくな議論のないまま、国会にて可決しました。憲法との整合性との疑問の残る中、安保関連法案は2016年3月に施行しました。
■自衛隊による既成事実の積み重ね
導入が検討されているF-35BライトニングⅡ
ここまでの安倍内閣による、自衛隊への優遇措置に驕ったのか、次々と新しい装備が導入されていきます。海自のヘリコプター搭載型護衛艦、かがの就役や、イージス・アショア導入決定などです。
空自の巡航ミサイル導入の検討や、F-35B購入検討などが、その流れの中で行われております。自衛隊は、その性質上、攻撃型の兵器は導入していませんでした。F-35Bは、STOVL(短距離離陸垂直着陸)機ですので、いずも級護衛艦を改修することで空母としての運用が可能になります。
アタックは、アメリカ軍が行い、自衛隊は専守防衛、つまりはディフェンス担当だったのです。空母や強襲揚陸艦は、自衛隊には憲法上、所持できない装備なのです。他国を攻撃できる巡航ミサイルも同様の理由で、導入しませんでした。
しかし、憲法上で無理な装備を、整合性の保てない安保関連法案により、既成事実化して運用させているのです。これは、防衛省設置法12条の改正によりタガの外れた制服組と、日本会議によって毒された議員により推進されている出来事なのです。
ぶっちゃけ最近の周辺各国との関係は、自民党の外交の致命的な失敗により、良くありません。というより安倍は、危機を煽り国民に過大な危機意識を与えることで、日本会議の悲願である9条の改正をしようとしているのです。
問題は、憲法が改正されたわけでもないのに既成事実のみを積み重ねるやり方です。2016年に南スーダンでの政府軍と反政府軍の戦闘に関して、南スーダンに派遣されていた陸自の日報を隠蔽した問題もありました。
■腐敗は防衛省や自衛隊にまで及んでいる
10式戦車
今の国会は、安倍をはじめ280名の日本会議国会議員懇談会に所属している議員によって牛耳られています。問題は、母体である日本会議が、神社本庁などの宗教勢力をベースにした組織であることです。
日本会議は、日本国憲法を押し付け憲法と無理やり定義づけ、9条改正を目論んでいます。更には、自衛隊を改編し国防軍に昇格させることを悲願にしています。
安倍内閣の主張は、総てこの日本会議のコピーであり、危険な宗教ベースの極右組織に毒されているのです。最近の森友問題に関する公文書改竄も、日本会議が絡んでいます。
魚は頭から腐るといわれていますが、最近の自衛隊の腐敗も、元を正せば安倍政権に由来しており、背後にいる日本会議の影響の大きさには唖然とします。
今の状態で、自衛隊を憲法に明記すれば、権限の拡大によって変質した組織による暴走を止める手立てがなくなります。したがって、現段階での憲法改正には断固として反対します。
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