MotoGP 2018開幕前!テストの結果から予測できることとは?

今年のMotoGPは、チャンピオンの予想の難しいシーズンになると思っています。ミシュランタイヤのワンメイクサプライヤー体制になってから3年目となり、2016年からハード面だけでなくソフトウェアでもECU(エンジン・コントロール・ユニット)が共通となっています。

2018年シーズン開始目前!

共通ECUは、メーカーの差を無くすための措置ですが、一昨年のホンダは、この問題により、セッティングがうまくいかず、タイトルを逃しています。去年から今年にかけて、ホンダもようやく共通ECUに慣れてきたようで、今年のマシンは昨年からの熟成がすすんでいます。

ヤマハは昨年ミシュランタイヤとのマッチングに悩み、2017年シーズンのフレームをあきらめ、2016年のフレームをベースに今年のマシンを開発するようです。

そして、ドゥカティは、アンドレア・ドヴィチオーゾ選手が、昨年のランキング2位に入るなど、今年のチャンピオンシップに期待できる内容となっています。

スズキは、昨年の成績は芳しくなかったものの、徐々に開発の方向性が固まってきているので、期待しています。KTMも新規参入2年目になり、さらなる飛躍を目指しているでしょう。

MotoGP座談会での予想

出典 https://race.yamaha-motor.co.jp/ 去年のルーキーの中でも好調だった ヨハン・ザルコ

MotoGP座談会という番組を、日テレG+(CS放送)で毎年放送しています。元世界GP125ccチャンピオンで解説者の坂田和人氏や、MotoGPジャーナリスト遠藤智氏(元平忠彦のメカニック)などが、1年間のMotoGPを振り返りつつ、新しいシーズンの予想をする内容です。

今年から日本人としては、青山博一選手以来4年ぶりとなるフル参戦のMotoGPライダー中上貴晶選手もゲストで登場していました。中上選手によると、ヤマハのヨハン・ザルコ選手と仲がいいみたいです。後、冷えた状態でのホンダ RC213Vのカーボンブレーキについても効きが悪いといっていました。


そこで、解説陣の予想ですが、去年の結果から、ホンダのマルク・マルケス選手が今年も年間チャンピオンになると予想していました。確かに、マルケス選手の走りは素晴らしかったですし、ほとんどコケた状態から立ち直るテクニックは凄いです(笑)。

来年もマルケス選手がチャンピオン候補の最右翼となるでしょう。それは間違いないのですが、去年のドゥカティのアンドレア・ドヴィツィオーゾ選手のようにマルケス選手を脅かす速さを持ったライダーが出てくると思います。

ホンダの好調とヤマハの問題点

テスト中のダニ・ペドロサ選手

2月に行われたマレーシア、ブリーラムで行われたテストでは、ホンダのダニ・ペドロサ選手が総合1位の結果となりました。マルケス選手は、調整に集中しての総合3位とこれまた好調を維持しています。

一方のヤマハは、マーベリック・ビニャーレス選手が総合8位、ヴァレンティーノ・ロッシ選手が総合12位とふるいません。サテライトチームのザルコ選手が、総合2位でしたので、ワークスチームであるモビスターヤマハの不調が目立ちました。

ホンダのサテライトチームLCR勢では、カル・クラッチロー選手が総合4位、中上選手がルーキートップの総合10位と好調です。タイムもクラッチロー選手と遜色ない1分30秒台を最終日にマークするなど、着実にMotoGPマシンに慣れてきているようです。

ホンダは、共通ECUに適応するため、エンジンを逆回転にしたり調整を重ねてきました。去年は、序盤苦戦し、後半戦で調子を上げていきました。その流れのままマシンの熟成が進んでいることが、ホンダライダーの好調に繋がっています。

一方で、チームメイトのジョナス・フォルガー選手を病気で欠きながらも、総合2位と健闘したザルコ選手を除いて、調子の出なかったヤマハワークス勢が気になります。

ロッシ選手は、電制システムに問題があるといっていますが、今年のYZR-M1は、フレームの問題も解決していないままです。2017年仕様のM1には、ワークスライダーの2人とも後半戦で結果が出ていません。ぶっちゃけ、2016年のフレームのザルコ選手の方が好調だったのです。

ビニャーレスは、その問題の方を重視しているようで、チーム内でも開発の方向性が定まっていないようです。これは、フレームに対する信用性の問題で、ヤマハはひょっとしたら今年も良くないのかもしれません。

ヤマハにとって朗報があります。テック3ヤマハにマレーシアのハフィス・シャーリン選手がフォルガーの代役としてフル参戦するようです!去年の鈴鹿8耐にも参戦したナイスガイです。同じアジア人ライダーとして頑張ってもらいたいですね。

ペドロサが、例年になくテストから元気いいので、ひょっとしたら今年のダークホースなのかもしれません。誰からも好かれるライダーだけに、応援しています。頑張れ、ダニ!

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