SGスペシャルのカスタム:格安ローラーブリッジは使えるのか?

Gibson SG Special Fadedのブリッジをローラータイプに交換しました。Yibuyブラスローラーサドルをアマゾンで購入しました。最初から付属していたTune O Maticのブリッジから格安ローラーブリッジにした理由から書いていきます。

目次 この記事の内容

  • 構造上の問題?TOMブリッジとの相性
  • Yibuyローラーサドル購入
  • 格安ブリッジ交換作業
  • ちゃんと機能する格安ブリッジ

構造上の問題?TOMブリッジとの相性

取り外したSGのTOMブリッジ

今回の記事はアマゾンで購入した格安のローラーブリッジの交換記事です。かなりマニアックな内容ですが、同じようにギブソン系で弦を切りやすい人や、格安のブリッジについて、参考にしていただければ幸いです。

かなり気に入っている2003年製のSG スペシャルですが、唯一にして最大の問題が、弦がよく切れることでした。購入してから2週間で5本切れ、ライブ前にアーニーボウルのセット弦に交換し、ライブから2週間経過してまた2本と合計7本切れました。

1,2弦中心にブリッジ側で切れているので原因はブリッジです。そこで、ライブ前の調整で、ブリッジのバリがないか確認し、サンドペーパーで軽く削りました。その後、2週間は弦が切れることはなかったのですが、先日とうとう1弦と2弦が同時期に切れました。

フェンダー・アメリカン・テレキャスターの弦は、1ヵ月持っているので、どう考えてもギターに問題があります。ブリッジの交換かギターの買い替えか悩み、SGがもったいないのでブリッジ交換することにしました。

サウンドハウスのゴトー製のチューン・オー・マチックブリッジが2,000円台であったので、最初はそのブリッジにするつもりでした。しかし、以前使っていたHeritage H-157がSGや以前使っていたギブソン系のチューン・オー・マチック搭載ギターと比較して弦が切れにくかったことを思い出したのです。

*用語解説1:Tune-O-Matic(チューン・オー・マチック)とは、ギブソン系ギターに搭載されているブリッジ(弦を乗せる部分)とテールピース(弦を固定する部分)に分けてオクターブ(同じ音の異なる高さ)や弦高、弦のテンションなどが細かく調整できる機能のこと

筆者は、元々典型的なフェンダー系ギターと相性のいいタイプで、ストラトやテレキャスで、あまり弦を切りません。ぶっちゃけ、最初に買ったギブソン・レスポールは、よく弦を切ったし、チューン・オー・マチック(TOM)と相性が良くなかったのです。

筆者が最近までメインで使っていたヘリテイジ H-157 ブリッジがローラー式で弦が切にくい

ヘリテイジは、同じチューン・オー・マチックですが、ブリッジのコマの形状がローラー式でした。通常のTOMは、ブリッジが尖ったタイプですが、ビグスビーなどを取り付けた場合、丸いコマが動くタイプのローラー式ブリッジに改造すると聞いたことがありました。

*用語解説2:ビグスビーとは、ギターに後付け可能なビブラートユニットのこと。ギブソンだけでなく、グレッチなどの他メーカーでも採用されている

ヘリテイジの場合、テールピースが普通のタイプでビグスビーは付いていませんでした。なぜ、このローラー式を採用しているのか、色々と考えた結果、弦が切にくいことと、後でビグスビーを搭載するギタリストのためだと思いついたのです。

物理的な問題で、フェンダーやローラー式のブリッジは、弦が接触する面積が大きく、丸いために弦にかかる圧力が少なくなります。TOMの場合、尖った部分に対する圧力は大きく、チョーキングを多用したり、激しくブリッジミュートする弾き方の場合、弦が切れやすくなります。

エリック・クラプトンが、ギブソンからフェンダーにした理由が、ES-335の弦が切れやすかったからという説がありますが、通常タイプのTOMのブリッジと相性が良くなかったのかもしれません。筆者の場合も、TOMとの相性問題の可能性があったのです。

もちろん、ゴトー製のブリッジにしても問題は解消したかもしれません。しかし、ヘリテイジで慣れたローラー式の方が、個人的に信頼感があったので、急遽ローラー式を探すことにしました。

Yibuyローラーサドル購入

今回購入した格安ローラーブリッジ

サウンドハウスでローラーブリッジを探した結果、TONEPROSという、ギブソンにも使われているメーカーのものが良さそうでした。しかし、価格は5,000円オーバーと予算を大幅に超えていました。

ぶっちゃけ、高級なパーツの方が信頼性はあるので、買うかどうかかなり悩みました。いっそのこと2,000円のゴトーの普通のTOMブリッジにしようかとも思ったのですが、藁にもすがる思いで、アマゾンでローラーブリッジを探すことにしたのです。

すると、Yibuyというメーカーのローラーサドルが1,040円で売られていました。アマゾンプライムに加入しているため、送料は無料です。レビューでは、コマの間隔が狭くキツキツのため、少しサンドペーパーなどで加工が必要と書かれていました。

しかし、筆者の場合ビグスビーは使わないし、むしろ動かない方がいいので、このまま加工無しできそうですし、最悪自分でバリを取るくらいのことをしようと思いました。色々と悩みましたが、4,000円の差額は大きかったので、安価な中国製にしました。

アマゾンプライムの恩恵で、晩に注文した商品が、翌日には到着したので、さっそく取り付けてみることにしました。

格安ローラーブリッジ交換作業

銀色の袋に入っていたブリッジ

さっそく届いたブリッジを開封してみます。銀色の袋に入っていて、中にはブリッジと、大きい六角レンチと小さいレンチとポストが2本入っていました。思ったよりもちゃんとしたブリッジで、1,000円とは思えません。レビューであったコマが回らないということはなく、少し固いですがちゃんと6個とも回りました。

筆者の場合は、サドルの形状の問題なので、回ることは重視していません。バリなどなかったので、無加工のまま取り付け可能でポストは前のTOMのものを流用しています。

2週間張ってある弦は調整のため、そのまま使います。ペグで弦を限界まで緩めて、ブリッジを外しました。


六角レンチで、ポストの芋ネジを動かし、開口部を広げます。ポストに差してから、レンチで固定します。上下にちょっとずつ調整できますが、大体真ん中に合わしました。つまり、弦交換の時にブリッジが外れないということになります。

ブリッジのコマは、1〜3弦が上、4〜6弦が下という並びでしたが、とりあえずオクターブ調整は後回しにします。一度弦を張ってから、ゲージを使って弦高を測ると、0.5mmくらい上がっていました。つまり、1.5〜2.0mmから2.0〜2.3mmくらいになっていたのです。

コマを外した状態

ここで、一度簡単にオクターブが合っているか確認してみました。すると、2〜3弦の12フレットが少しピッチが高いことが分かりました。これは、当然予測できたことでした。というのもブリッジの各コマの並びを揃えていないからです。

この段階で、2弦と3弦のコマをブリッジの六角ボルト緩めて外し、下向きではなく上向きに入れ替えます。

ブリッジのコマは上と下のボルトで固定されています。つまり上のボルトの場合はコマが下がる方向、下のボルトの場合は、コマが上がる方向になるのです。しかし、このコマが硬くなかなか外れません。やっとの思いで2、3弦のコマを入れ替え、次に4弦を上に上げるため、コマを入れ替えます。

オクターブ調整した後のブリッジ

つまり、通常のブリッジと同じように1弦が一番上、次に2弦、3弦とずらします。4弦が一番上で、5弦と6弦はそれぞれ下げます。コマのボルトを緩めてそれぞれの高さに微調整し、通常の形にしました。ここから、後で微調整するので、とりあえず形だけ整えました。

コマの向きとボルトの位置を入れ替えたのは、2、3、4弦です。残りは微調整のみでした。この作業は、ポストに差し込む前にしておいた方がいいです。普通のTOMやヘリテイジのブリッジの場合は、ネジで調整したオクターブ調整ですが、このブリッジは少し面倒でした。

ここで一気に、1弦1.5mm〜6弦2.0mmという弦高にして、オクターブの調整をしました。ぶっちゃけ、いつもの形にしている段階でピッチは合っていたので、あまりそこから動かしていませんが(汗)。

ちゃんと機能する格安ブリッジ

調整後のSGスペシャル

色々弾いてみましたが、どこにも異常はありませんし、ヘタっていた前のブリッジよりも弾きやすくなったような気がします。チョーキングの時に、前のブリッジの場合、弦が引っ張られているような感覚がありましたが、以前のヘリテイジや、フェンダー系ギターのように、スムーズにチョーキングできています。

今のところなんとも言えませんが、激しいチョーキングが原因でブリッジから弦が切れることは無くなったと思いました。トーンは、若干マイルドになったような感じはしますが、音の詰まりもありません。

1ヵ月前からこのブリッジにしていれば、あれだけ弦を切ることはなかったかもしれません。今回のブリッジのカスタムは、自分にギターを合わせる方向で仕上げられて、大変満足しています。

ギターの関連記事はこちら

サウンドハウス GOTOH GE103B

Gibson/SG Special Faded Worn Brown
ギブソン(GIBSON)

 

 

SGスペシャルのカスタム:格安ローラーブリッジは使えるのか?” に1件のフィードバックがあります

  1. ピンバック: エレキのビブラート・ユニットについて解説! | K.T Dogear+

コメントを残すコメントをキャンセル

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください