Blackstar HT-5R:日本の住宅事情に適した5Wのチューブアンプ!

友人のミュージシャン、秋山タカオの新しいギター、ギブソン ES-335にふさわしい練習用アンプを探してみました。個人的には、ES-335クラスのギターだと、オールチューブの練習用アンプが必要だと力説しました。そして、良さそうなアンプBlackstar HT-5Rを試奏してみました。

目次 この記事の内容

  • ギター用ケミカルグッズを買いに行ったはずが・・・
  • やたらと勧められるヤマハの小型アンプ
  • Blackstar HT-5R試奏
  • 楽器店巡りで解ったこと

ギター用ケミカルグッズを買いに行ったはずが・・・

完全に目的を忘れギターばかり見ている筆者(秋山氏撮影)

今回は、梅田の楽器店を友人と回ることになりました。最初は、タカオの新しいギター、ギブソン ES-335のケミカルグッズを購入する予定でした。昼頃に合流予定だったので、かなり早めに電車に乗りました。地下鉄が高いので、天王寺からJRで大阪駅に向かいました。大阪駅から歩いて、紀伊國屋書店に行って立ち読みしながらタカオを待っていたのです。

ランチを予定していた店が谷町線出口方面だったため、合流してから引き返すことになりました。筆者が完全に段取りをド忘れしたためで、当然怒られました(大汗)。

谷町線入り口付近の地下にあるちょっとお洒落な店(店名を失念してしまった)は、本格的なハンバーグとコロッケのランチで、野菜大盛り、スープ、ご飯おかわり自由で680円という信じられないくらいお得でした!ハンバーグがとても美味しく、梅田来たらここでランチが定番になりそうです。

梅田のナカイ楽器が9月30日までの閉店間近のセールをやっているということで、行くことにしました。結構昔からある楽器店が無くなるのは寂しいことです。

ところが、昔の記憶を頼りにナカイ楽器の場所に行ったものの、なかなか見つかりませんでした。2人共、楽器店の場所を勘違いするわけはなく、筆者よりも梅田に詳しい秋山氏がそんなヘマする訳がないので、首を捻りました。

どうやら、3年前に地下の方に移転していたようで、阪急三番街のホビーステーションに降りました。すると、目的のナカイ楽器があったのですが、ほとんど商品を売り尽くした後のようで、ショーウィンドゥから楽器はギター1本残して無くなっていました。

また、ケミカル用品も種類が少なくなっていて、閉店前の寂しさのようなものが漂っていました。こうなると、他のところに行った方が良さそうでした。

次に向かったのは、イシバシ楽器梅田店です。梅田の楽器店の中でも規模の大きいところで、心斎橋やなんばの楽器店に行くことが多い筆者(tkd69)もたまに来ます。

クロス付きのギブソンのポリッシュ(ラッカー対応)や、Toneのフィンガーイーズなどをカゴに放り込んだのですが、レモンオイルについて最近ネットで出回っている説について疑問があったので、店員さんに聞いてみました。

ダダリオのレモンオイル(秋山氏撮影)

どうやら、普段行っているように、3ヶ月に一回くらい(乾燥の具合による)に適正な量を使って指板を潤すくらいなら問題ないし、有効であるということでした。心配なかったので、ダダリオのレモンオイルを含めて購入し、ケミカルグッズの補充は完了しました。

ところが、ここからが問題で、タカオがぽろっとアンプについて話したのです。どうやらリサイクルショップで購入した、安いトランジスタアンプしかないようで、かなり音がよくないようなのです。

せっかくいいギター購入しても、練習用のアンプが良くない場合は、宝の持ち腐れです。アンプは、エレキギターにとって、トーンに占める割合が高いので、いいものを購入することを勧めました。

やたらと勧められるヤマハの小型アンプ

出典 https://jp.yamaha.com/ ヤマハ THR

そこで、ES-335を購入したときの店員さんに、アンプについて聞いてみました。すると、ヤマハ THR5という小型のモデリングアンプが現在人気で勧められました。中身は、モデリングアンプのようですが、小型ながらそこそこいい音がするようです。

しかし、小さい8cmのスピーカー2発という仕様ですし、何よりオールチューブの小型アンプと比較すると物足りなく感じてしまいます。練習用小型チューブアンプが置いているか探してみたのですが、中古のMarshall DSL15Cと、新品特価のBlackstar HT-5Rがありました。

マーシャル DSL15Cの5WタイプのDSL5Cは、筆者もVOX AC15C1を購入する前に候補にしていたアンプの一つです。ぶっちゃけ、DSL15Cは、パワー菅が6V6菅2本で交換にはバイアス調整が必要なので、練習用アンプには不向きだと感じました。

対照的にオールチューブのブラックスターのHT-5Rは、新型のMkIIが出た後なので、4万円代と安く、プリ菅にECC83、パワー菅もBH7一本だけとバイアス調整の必要のないアンプでした。

ブラックスターは、2000年代にイギリスのミュージシャンが立ち上げたメーカーです。ノーサンプトン(イングランド中東部)に本拠地のある新進気鋭のメーカーであり、ミュージシャン目線のユーザーフレンドリーな製品を出しています。

イギリスのアンプらしく、ECC83(12AX7に相当)をプリ部に使っています。スピーカーは12インチ一発です。エフェクトループ端子や、ライン端子もあり、現代のアンプならではの多機能が魅力です。クリーンとドライブの2チャンネル仕様でフットスイッチも付属しています。

Blackstar HT-5R試奏

試奏中の筆者(秋山氏撮影)

秋山氏のES-335は、ケミカル用品の購入を想定していたので、持ってきてはいませんでした。そこで、イシバシ楽器の店員さんが同じギターを用意してくれました。秋山氏のES-335はチェリーレッドで、試奏に使った335は深いブルーの珍しいカラーのギターで、とても弾きやすかったです。

当然楽器店に行く時には、ピックは持ってきてあるので、自分のものを使いました。ES-335は、セミホローボディなので、レスポールとは違ったトーンが出ます。しかし、同じギブソン系のハムバッカーギターなので、普段使っているHeritage H-157のトーンを思い出しながら弾いていました。

ハムのギターの場合、好きなのはセンターやリアで、ソロで甘いトーンが欲しい時にはフロントをたまに使います。ブラックスター HT-5Rは、少しリバーブを上げ、ドライブチャンネルの3バンドEQつまみ(トレブル、ミッド、ロー)は、少しドンシャリ気味にセッティングし、音抜けを重視しました。

最初は、ISFつまみの意味がわからなかったので、真ん中にしていましたが、左に回せば6L6系のアメリカンなアンプのカラッとした明るいトーン、右に回せばEL34系のマーシャルのような粘りのあるトーンが出ます。


バッキング重視のカラッとしたトーンには、ISFつまみを左いっぱいに回したトーンでリアでカリカリにしてみました。かなり、いい感じにカッティングできました。リードは、フロントを使い、ISFを右にして少しブルージーなノートを弾いてみましたが、甘めのトーンが出ていい感じです。

クリーントーンのトーンつまみは1つしかありませんが、これで困ることはないと思いました。シンプルなつまみの配置はとても解りやすく、ごちゃごちゃしたスイッチがないので扱いやすいアンプだと思いました。2ボリューム式のため、歪ませてもボリュームを絞ることも可能です。

プリ菅、パワー菅が1本ずつ使用の、5Wのオールチューブですが、音圧もそこそこあり、自宅練習には持ってこいのアンプだと思いました。HT-5Rの場合は、スタンドバイスイッチがあり(MKIIには非搭載)よりチューブアンプらしさがあります。

若干音抜けは、筆者のAC15の方が良く、15Wで真空管の本数も多いためかチューブ特有の温かみもあります。しかし、アンプの軽さと多機能な点では、Blackstarに軍配が上がり、マンションなどで音を鳴らすなら5Wクラスのオールチューブの方が向いているように感じました。

以前試奏したMarshall DSL5Cと同様の多機能さとトーンがありアンプのキャラクターを変えられるISFつまみは便利です。マーシャルっぽい(JCMシリーズのような)バリバリした歪みは、DSL5にはありました。こうなってくるとFender Blues JrかCHAMPとも比較したいところです。

今回は、アンプによる違いをタカオに実感してもらいたいために、試しただけなので、早めに試奏を終了しました。快く試奏させてくれた店員さんには、感謝しています。

楽器店巡りで解ったこと

Blackstar HT-5R(秋山氏撮影)

こうなってくると気になるのは、梅田の楽器店にフェンダー系の小型チューブアンプやら、筆者のAC15C1、Laneyなどが置いてあるかどうかです。次に向かったのは、島村楽器店で、イシバシのテナント前のビルにありました(大汗)。

島村楽器の店員さんもやたらとヤマハの小型アンプ勧めました。ただ、スピーカーが小さいので、そこそこしか鳴らないような気がします(試奏していないため想像)。またチューブの方が、ピッキングの反応がいいので気持ちいいし、個人的には小型オールチューブの方が好きなので、探してもらいました。

以前、AC15C1を購入した時にも置いてあったマーシャルの新型Origin5があったのですが、これは1ボリューム式のため必然的に候補から外れます。そして、ここにもブラックスターHT-5Rが置いてありました。

次に向かったのは、三木楽器梅田店です。ここには、オールチューブの小型アンプは、チャンプっぽいアンプしか置いてありませんでした。次に向かったのは、ESPショップです。ここには、残念ながら小型チューブアンプは置いてありませんでした。

最後にワタナベ楽器店に行ってみたら、ようやくVOX AC15C1が置いてありました!しかも、僕のものと色違いのグリーンパネル!値段も手頃だったし、一押しはこれです。スタジオやライブハウス定番のトランジスタアンプ、ローランド JC-120対策にJC-22というパターンも考えられます。

久しぶりに、梅田の楽器店巡りをしてみて、時代は小型のモデリングアンプが売れ筋になったことが分かりました。それだけ、DTMやマルチエフェクターでデジタルアンプに抵抗のない世代が増えてきたということでしょう。

そのためか、以前の定番だったフェンダー・ブルースJrのような小型チューブアンプがあまり在庫に置いていないようです。大きい音で鳴らせられない住宅事情もあるので、一概には言えませんがチューブの良さを容易には体感できなくなっているのかもしれません。

それでも、小型チューブのいいところは、チューブ特有の温かみや、音圧感、ピッキングに対する反応速度の高さなどです。音の多彩さは、デジタルの方がありますが、まだまだアナログのチューブアンプの良さはあります。

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