フェンダー・テレキャスターを試奏!プロフェッショナルからジャパンまで

今回は、久々にフェンダーのテレキャスターを試奏してきました。アメリカンスタンダードの後継であるプロフェッショナルを2本、パフォーマーを1本、最後にフェンダー・ジャパンのハイブリッドシリーズを1本です。

目次 この記事の内容

  • テレキャスターはマストなギター
  • フェンダー・プロフェッショナルシリーズ
  • フェンダー・パフォーマーシリーズ
  • フェンダー・ハイブリッドシリーズ
  • 試奏してみないと解らない相性

テレキャスターはマストなギター

筆者ことtkd69は、以前からテレキャスター好きです。今メインで使っているヘリテイジ H-157(レスポールタイプ)や、サブのギブソン・レスポールJr.は気に入っていますが、最新アルバムSIXのレコーディングのときに、テレキャスターのトーンが欲しくなりました。

低域と高域が同時に鳴るジャキジャキしたトーンが無性に恋しくなったのです。ネットで何気なくFender Telecasterをチェックしていたら、アメリカン・プロフェッショナルというアメリカン・スタンダードの後継モデルの他に、アメリカン・パフォーマーなるものも発売されていました。

かつてメインで、アメスタのテレを愛用していた筆者は、試奏したくなり、大阪市の難波に映画を観に行ったついでにテレキャスターを色々と試してきました。ビンテージシリーズは、日本製のハイブリッドのみ試しました。

今回は、スタンダードなラインのフェンダーUSAを中心に、プロフェッショナルの材の違うものを2本、パフォーマーを1本、最後に薦められたフェンダー・ジャパンのハイブリッドシリーズを1本の計4本を試奏しました。

フェンダー・プロフェッショナルシリーズ

出典 https://store.ishibashi.co.jp/ 今回試奏したテレキャスターと同じバタースコッチカラーのプロフェッショナル

アメリカン・プロフェッショナルシリーズは、アメリカン・スタンダードの後継モデルです。アメスタシリーズは、22フレットにバランスのいいピックアップ、6wayブリッジを搭載し、現代的なスタンダードモデルとして人気がありました。

近年、フェンダーは、スタンダードからプロフェッショナルに進化させ、新たなラインで生産開始したのです。

これらのシリーズは、アメリカのコロナ工場で作られているため、日本ではフェンダーUSAと呼んでいます。しかし、アメリカではメキシコ工場やジャパン工場で区別していませんので、あくまで日本特有の生産地表記として、フェンダーUSAと呼んでいるだけです。

プロフェッショナルシリーズで気になるのが、値段の高さです。定価で19万円を超えるって、以前なら14万くらいで売られていたのに5万円もの値上がりです(涙)。筆者がメインで使っていたアメスタ・テレは、アルダーにメイプルの1ピースネックのモデルで、ネックをアトランシア製に交換されていたため、7万円くらいで購入しました。

かれこれ十数年前のことなので、記憶は薄れていますが、テレらしいジャキジャキしたトーンでとても気に入っていたギターでした。ヘリテイジの購入のため、売ってしまいましたが、アメスタといえばメイプル指板にアルダーのものが基準となっています。

アメリカン・プロフェッショナルには、V-Modピックアップという新開発されたPUが搭載されています。これは各弦ごとの磁力を最適化したもので、バランスを良くしたピックアップです。

U型とC型の中間であるDeepCネックは、プレイアビリティのやりやすさを追求した結果採用されました。また、ボリュームを下げた状態でもトレブルの艶を維持するトレブル・ブリード・サーキットを搭載しています。また、サドルは3Wayのビンテージテイストのあるものに変更されています。

ぶっちゃけ、値段が高くなった分の内容が気になるところです。今回は、なんば駅のロックインと、いつものイシバシ楽器心斎橋店で、中古のアッシュボディにメイプル指板、アルダーボディにメイプル指板のモデルをそれぞれ試しました。

アッシュの方が50年代ビンテージを意識してかバタースコッチカラーにブラックピックガードというロイ・ブキャナンのテレのような往年のスタイルです。音が太く、フロントとリアのバランスが、アメスタよりも良くなっている印象を受けました。リードからカッティングまで、バランス良く使えるようになっていました。

新開発のV-Modピックアップのレンジが広いせいか、テレキャスというよりもモダンな楽器のような感じもあり、オールマイティに使えるギターでした。テレ特有のジャキジャキした反応速度の高さとストラトよりも短いサスティンでギャリギャリ弾きたい筆者とはちょっと違った方向性のギターでした。

楽器としての質やバランスなどは、向上しているので、メインで使うならいいギターだと思います。次に映画を観てから、心斎橋に移動し、イシバシ楽器に向かいました。

ブラックにシンプルなホワイトのピックガード、メイプル指板のプロフェッショナルのボディはアルダーです。意外なことにこっちの方が少し高域が強調されたバランスになっていました。理想のテレキャストーンに近い感じです。

ピックアップのバランスやコイルのターンが違うせいか、以前のテレキャスのトーンと違ってレンジが広い印象を受けました。これはこれで、慣れてくるとかなり使えるギターになりそうでした。個体差の問題もあると思うのですが、アッシュよりもアルダーの方がしっくりきました。

問題はレンジが広い分、カッティングした時の切れ味が、あまり感じられなくなってしまっていることです。おそらく、新型のV-Modの指向しているトーンが現代的に寄っていて幅の広いものとなっているためでしょう。

フェンダー・パフォーマーシリーズ

出典 https://store.ishibashi.co.jp/ パフォーマー・テレキャスター

フェンダー・パフォーマーシリーズは、かつてのアメスタと同じような価格である15万円くらいで売られているコロナ工場製ギターです。ネックが薄めのCシェイプ、ピックアップにパンチのあるYosemiteシングルコイルを2基搭載しています。フェンダー・アメリカン・スペシャルシリーズの後継モデルという扱いになります。

Greasebucketトーンコントロール機構という、高域と低域を減衰させるトーンコントロールを持っています。今回は、クリームホワイトのアルダーボディに、メイプル指板のものを、三木楽器アメ村店で試してきました。


ぶっちゃけいうと、一番ファットなトーンのPUを搭載しています。以前のテキサス・スペシャルPUを搭載していたスペシャルシリーズの延長線上の暴れた感じがします。シンプルなロック系ギタリストに向いたトーンです。しかし、テレ特有のジャキジャキ感が少し薄れているような気がします。

これは、フェンダー系のアンプにプラグインするよりも、マーシャルやメサ・ブギーなどのハイゲインのアンプの方が向いているように思いました。つまり、今自分が求めているテレキャスのトーンとは違っていたということになります。

フェンダー・ハイブリッドシリーズ

出典 https://store.ishibashi.co.jp/ 珍しいカラーのハイブリッド・テレ

フェンダーのハイブリッドシリーズとは、かつてフェンダー・ジャパンと呼ばれていた日本工場のフェンダーの正規バージョンのギターです。フェンダー・ジャパンは2015年に、神田商会が持っていたライセンスを返還し、フェンダー日本支社の立ち上げと共に、その名義を失うこととなったのです。

しかし、2015年4月からフェンダー・ジャパンの製造ラインを引き継いだフェンダー・エクスクルーシブ・シリーズを発表し、国産フェンダーの血脈は受け継がれたのです。そして、ハブリッドシリーズは、5~70年代のビンテージを意識したストラトやテレなどの往年のモデルに、USA製の電装部品を搭載したギターです。

フェンダー・ハイブリッド・テレキャスターのピックアップは、フェンダーUSAのアメリカンビンテージ’58で、4wayスイッチで多彩なトーンを選べるようになっています。

  1. フロント+リア(直列のハムバッカーのようなトーン)
  2. フロント
  3. フロント+リア(並列の従来のテレのミックスポジション)
  4. リア

またネックはサテンフィニッシュで、今回試奏したギターは、ボディはアルダー、ネックはローズウッド指板のいわゆる60年代を意識したスペックのギターです。シャーウッド・グリーン・メタリックという珍しいカラーのギターでした。これは、三木楽器の店員さんが選んで持ってきてくれたギターでした。

そして、このギターが一番、イメージしていたテリーのトーンに近かったのです!特に、並列のミックスポジションのレンジは、広すぎずテレらしいジャキジャキ感があり、カッティングを自然にしたくなるトーンです。

また、意外なことに直列時のトーンの厚みは素晴らしく、まるでハムのようなトーンを作ることも可能です。フェンジャパで弱点と言われていた電装系の細さもなく、かっちりした日本の工場で作られたギターは、ビンテージのテイストもあり、好みのトーンです。

好きなメイプル指板のものを探しましたが、アッシュボディのものしか置いて無かったので、そちらの試奏はしませんでした。時間的に限界が来ていたのであまり弾けませんでしたが、フェンダー・ハイブリッドシリーズのレンジの方が広すぎず、自分に合っているように思えました。

価格も10~11万円くらいとリーズナブルなので、一番オススメのギターです!正直フェンダー・ジャパンが、これほどいいとは・・・。

試奏してみないと解らない相性

今回の試奏の結果から色々なことが解りました。気付いたことを箇条書きにしてみます。

  1. プロフェッショナルシリーズは現代的なモダンで良質なギター
  2. パフォーマーシリーズはゲインが高め
  3. ジャパンのハイブリッドはビンテージっぽさがありオススメ!

プロフェッショナルは、メインで使えるバランスの良さを持っています。筆者がメインでテレを使うなら、最初に試したアッシュボディを購入するでしょう。アルダーの方がどちらかというと昔使っていたアメスタ・テレに近いので、クセのある感じが好きならアルダーを選択した方がいいと思いました。

パフォーマーは、ゲインを高めにして弾くギタリスト向けなので、もっとモダンな感じがします。ぶっちゃけ、テキサススペシャル搭載ギターよりもヨセミテPUの方がパワーがありました。歪ませてガンガン弾くタイプには、プロフェッショナルよりも安いパフォーマーをオススメします。

一番意外だったのが、フェンダー・ハイブリッドシリーズのしっくり感です。アメリカン・ビンテージ’58の特性のおかげかもしれません。広すぎないレンジが、僕には丁度いいのでしょう。定価は、今回試した4本の中で一番安いギターですが、ギターは価格ではなく相性なので、4本の中で選ぶとしたらハイブリッドです。

この記事の動画バージョンです。筆者が解説しています。

快く試奏させてくれるので、ギター買うなら楽器店が一番いいです!ただ、あまりデカイ音や、長時間の試奏は迷惑ですので控えましょう(大汗)。今回も丁寧な対応、ありがとうございました。

このように、試してみないと解らないのが、ギターの面白いところです。試奏したアンプや環境などで変わったりするので、ピンと来ないと買わないようにしています。ハイブリッドは、理想に近いトーンでしたが、ヘリテイジやレスポールJr.のようなビビッドな衝撃が無かったので、無理して買う必要はないと思いました。

以前使っていたテレのトーンが忘れられないせいか、思い出補正になっているのか、テレキャスを選ぶときは慎重になっています。いっそのこと、中古のアメスタか、ビンテージシリーズあたりがしっくりくるのかもしれません。

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