U2 WAR:出世作となったサードアルバム!

U2といえば、「ヨシュア・トゥリー」だろう!とまたまたお叱りを受けそうなアルバムを選びましたが、“WAR”は素晴らしいアルバムです。特に、バンドにとっての出世作といえば、1983年発表の通算3枚目のアルバムWARなのです。U2はアイルランド出身のバンドで、1970年代後半から活動を開始しました。

U2の出世作

当時のギターの主流は、徐々にヘビーなサウンドに偏っていました。ストラトキャスターを鐘の音のようなトレブリーなトーンでカッティングしていたジ・エッジのギターに正直しびれました!

当時のU2は北アイルランド問題をテーマにした曲を書いていました。ロックに政治的なテーマを持ち込むことは個人的には好きではないのですが、IRAに脅迫されてまで、自説を曲げないU2がこの時、カッコ良く感じられました。

WAR解説

1曲目のSUNDAY BLOODY SUNDAYが強烈です。日本語に直訳すると日曜日、血の日曜日ってタイトルです。北アイルランド問題を巡って流血を繰り返していた、イギリスとIRAの抗争を主題に、テロを批判する曲は、シンプルなメッセージ性に溢れています。

2曲目のSECONDSは、最終的に核まで使いかねない大国に対する警鐘というべきテーマの曲です。そして、この流れのまま、このアルバム最大の名曲NEW YEAR’S DAYに繋がります。

名曲NEW YEAR’S DAY

この曲は、かなりエッジが気合を入れています。特に目立つのは冒頭のキーボードのソロパートですが、ライブでもエッジが弾いています。ギターは、カッティングに付点8分音符のデジタル・ディレイをかけるエッジの代名詞ともいえるバッキングと、ソロキーボードの後のスライドギターなど、かなり幅のあるプレイをしています。


もちろん、ボノのメッセージ性の高いボーカルや、アダム・クレイトンのしっかりとしたベース、ラリー・マレン・ジュニアのドラミングあってのものですが、この曲はエッジの個性が爆発した名曲だと思います。

しっとりとした5曲目のDROWNING MANや、官能的なSURRENDERなど、他にも佳作の多いアルバムですので、ぜひ通しで聴いてもらいたいです。「ヨシュア・トゥリー」も好きなアルバムなのですが、勢いならこのWARを押します。

1980年代の音楽は色々な意味で肌に合わないのですが、こういった過渡期ならではの印象的なアルバムもありました。特に、アメリカ、イギリスのシーンにおいて、新たなムーブメントが起きる前の予兆のようなものがあったのだと思います。

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U2 WAR:出世作となったサードアルバム!」への4件のフィードバック

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