アンプの特徴について:その4 日本製トランジスタアンプ

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今回で、アンプの特徴シリーズも最終回です。最後は、日本製のトランジスタアンプについて解説します。国産のアンプは、過小評価されていますが、実はかなり使え、国際的な評価を得ているのです。

チューブアンプ信仰とトランジスタアンプ

出典 https://store.ishibashi.co.jp/ ヤマハ SR100-212

トランジスタアンプとは、簡単にいうと集積回路で製作されたアンプのことです。真空管を使わないより近代的なギターアンプは、耐久性に優れ、安定的に動作し軽いです。しかし、ギターアンプやオーディオアンプは、こだわればこだわるほど、チューブアンプの暖かみのあるトーンに魅了されるユーザー多いのも事実なのです。

かくいう筆者(tkd69)もチューブアンプを好むギタリストの1人です。スタジオでマーシャルやら、メサ・ブギーを好んで使っていたころ、恥ずかしながら国産のトランジスタアンプを頭から否定して使っていなかった時期がありました。

「やっぱロックはスタックだぜ!」とかいってスタジオに入ると俺のものだとばかりマーシャルを確保するという有様でした(笑)。そんなおバカなロック野郎が改宗?したきっかけは、さるブルースの重鎮が来日時にヤマハのアンプを使って素晴らしいトーンで弾いていたという噂を聞いたからです。

「これは、自分も試してみなければなるまい!」と言って、ヤマハのSR100というアンプの置いてあるスタジオに行き、弾いてみると、目から鱗が落ちました。実に素晴らしいトーンが作られたからです。

SR100は、トランジスタアンプでドライブチャンネルでもよく歪むアンプでした。チューブのような音圧や暖かみはないものの、癖のないトーンと音抜けの良さで、バンドの音に埋もれることのない優れたアンプだったのです。

Roland JAZZ CHORUS-120のメリット

出典 https://www.roland.com/ ローランド ジャズコーラス-120

ローランドが、1970年代に開発し、世界的に広まっているアンプといえばジャズコーラスです。JC-120という形式番号(モビルスーツではない)から解るように、60Wと60Wの2つのパワーアンプを30cmスピーカーに出力させる120Wのコンボアンプです。

ジャズコーラスという名称からも解るように、スピーカー2発を利用したコーラスが搭載されています。片方のスピーカーの前にコーラスをかけて、もう片方のスピーカーからは、コーラスのかかっていないギターの音が出力されます。これにより、広がりのある独特のコーラスがかかるようになっています。

開発コンセプトは、フェンダー・ツインリバーブのようなソフトな音の出るアンプということでした。ジャズコーラスは、クリーンなトーンで定評のあるアンプです。チューブアンプあるある話で、スタジオによって同じマーシャルでも、まったく同じ音が鳴りません。


これは、真空管を取り替えたり、へたっていたりすることによる弊害で、同じマーシャルでも個体が変われば、音が大幅に変化するということが多々あるのです。それに対して、ジャズコーラスのクリーントーンは、実にクセがなくどこのスタジオのものでも同じ音が鳴るのです

ということは、歪みエフェクターをプリアンプ的に用意しておけば、どこでも同じトーンを出せるということです。アンプを運搬できない場合、ジャズコの安定的に同じ音が出るというのは、凄いメリットなのです。

ジャズコーラスを使いこなせ!

出典 https://www.roland.com/ ジャズコーラスのバックパネル部

ジャズコーラスは、どこのスタジオでも置いています。かのN○Kホールにすら、なぜかボリューム指定されているジャズコがあるようです(笑)。ジャズコを使いこなすには、自分好みのクリーントーンを作ることから始まります。

インプットは、パッシブPUならハイ、アクティブならローに突っ込みます。リンク技というのもありますが、普通にチャンネル2もしくは1にプラグインします。

フットスイッチがあれば、エフェクターのオン・オフもできるので、ジャズコ本体のコーラスを使うのもありです。ギター-ワウ-ブースター(オーバードライブ)-オーバードライブ-ディストーション-ディレイ-ジャズコという順番で繋ぐのが筆者のセッティングです。

ブースターはソロ時やオブリ用に、歪みを足しボリュームを上げるために、オーバードライブは軽く荒めの歪み、ディストーションはモダンで激しい歪み用に使っています。歪みペダルを常時3つ足元に置いてあるのは、プリアンプ的に使う歪みエフェクターが2種類あるからです

ワウは踏むと気持ちいいため、ディレイは曲によってセッティングを一発で切り替えられるタイプのものを使っています。ジャズコは、エフェクターとの相性のいいアンプです。特に同じメーカーのBOSS製(ローランドのエフェクターブランド)エフェクターを愛用している筆者にとっては、ありがたいアンプなのです。

ジャズコーラスのフロントパネル

ジャズコは、背面のリターン端子を使ってマルチエフェクターのパワーアンプとスピーカーにするという役割もこなします。ジャズコの背面にあるセンド・リターン端子のリターンに、マルチもしくはプリアンプを繋いで、パワーアンプとスピーカーを使うという方法があります。

BOSSのGTシリーズには、ジャズコのクリーントーンに接続するモードが設けられていたりするので、マルチを常用するギタリストにとってもありがたい機能です。この場合は、スピーカーシュミレーターをOFFにしてセッティングすることをおすすめします。

このようにジャズコを使いこなせば、安定的に自分好みのトーンでギターを弾くことが出来るようになります。

その他の国産アンプについて

出典 https://www.roland.com/ ローランド JC-22

僕がよく使っている国産アンプとしては、自宅練習用の小型アンプ、フェンダージャパンのSVD-20CEです。20Wの安いコンボアンプなのですが、トランジスタのクリーンチャンネルが秀逸で、こればかり使っています。一応プリ管の12AX7を使ったバルブステートによるドライブチャンネルがありますが、こちらは使える代物ではありません(汗)。

このアンプは、8インチのセレッションスピーカー2発と、エフェクトループ端子が付いています。前述のジャズコのセッティングを仮想的に自宅で再現するのに向いているアンプなのです。

最近では、ローランドからJC-22というスピーカー2発のコンボアンプも販売されています。こちらもエフェクトループ用の端子が付いており、本家ローランドというメリットがあるので、自宅練習用におすすめのアンプです。

国産ソリッドステートアンプの功績

出典 https://www.roland.com/

1970年代中頃に開発され、ポリスのアンディ・サマーズや、ザ・スミスのジョニー・マーやメタリカのジェームズ・ヘットフィールドなどの名ギタリストに愛用されたJC-120は、ロック史において重要なアンプです。

日本製アンプ=トランジスタアンプというイメージは、ローランドのジャズコーラスによって生み出されたといっても過言ではありません。また、同じようにBOSSやIBANEZなどの国産エフェクターも優秀で、70年代から現在まで世界の音楽に貢献しているのです。

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アンプの特徴について:その3 イギリス製アンプについて

アンプの特徴について:その2アメリカ製アンプの個性

アンプの特徴について:その1 アンプの歴史

練習用小型アンプについて考察

 

 

 

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