ホンダ CBR600RR:ミドルクラスSSの雄

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ホンダ CBR600RRは、現在国内販売が終了しています。しかし、2018年までMoto2マシンのエンジンは、CBR600RRのものがベースです。600ccのSS(スーパースポーツ)として一世を風靡したCBR600RRを紹介します。

Fコンセプトとは異なるレーサーレプリカマシン

初代CBR600RR(PC37前期モデル)

ホンダは2000年代、CBR600Fというスポーツからツーリングにも使える「Fコンセプト」と呼ばれるバイクをミドルクラスの主力スポーツバイクにしていました。しかし、ミドルクラスバイクのレース熱の向上によって、よりスポーツ走行に向いたSS(スーパースポーツ)モデルの需要は高まっていました。

そこで2003年から登場したのが、CBR600RRだったのです。MotoGPマシンRC211Vの技術をフィードバックしたアルミフレームや、マスの集中化、センターアップマフラーやPGM-DSFI(デュアルインジェクション)など、サーキット走行を重視した設計となっています。

そのため、明らかに先代のFコンセプトとは違いレースユースに適したマシンとなっていたのです。エクステリアもRC211Vを意識したカウル形状や、センターアップマフラーなど、レーサー直系のイメージを強く反映したものでした。

2005年には、モデルチェンジが行われました。この時期のモデルは、PC37型後期モデルと呼ばれています。カウルの形状をよりRC211Vに近い精悍なものにして、倒立フロントフォークを採用しました。

このCBR600RR(PC37型)は、かなりレース寄りのマシンで、WSS(世界市販600レース)において、4年連続チャンピオンを獲得するほどの性能でした。水冷4気筒エンジンの最高出力は118PS(国内仕様は69PS)を叩き出し、当時の憧れのSSだったのです。

扱いやすいSSに進化した600RR!

PC40型CBR600RR

2007年にフルモデルチェンジされたCBR600RRは、CBR600F4の生産終了に伴って、より扱いやすいミドルクラスSSとなりました。このPC40型は、以前のモデルとは違いハンドルを少し高くして前傾を緩めにし、カウル形状の変更によって足つき性を見直し、使い勝手を向上しました。

特筆すべきは、194kgから187kgと7kgもの軽量化による運動性能の向上です。クラス最軽量の車体に、倒立フロントフォークや電子制御式ステアリングダンパー(HESD)の採用など、ありとあらゆる部分が進化したのがPC40型CBR600RRです。


2009年からは、ABS(アンチロック式ブレーキ)の搭載モデルも登場し、国内モデルの最高出力が78PSになりました。自主規制された国内仕様ですが、お金はかかりますが、フルパワー化することも可能です。この時期のモデルは、PC40型中期と呼ばれています。

個人的には、使い勝手のいいPC40前期から中期のモデルが一番好きです。国内の販売台数も年間1500台以上と、この時期のCBRが最も売れていました。カウルもカッコいいので、どこの峠でも見かけることが多かった人気車でした。

※CBR600RR スペック表(PC40前期モデル)

CBR600RR
最高出力 PS/rpm 119/13,800
最大トルク kg・m/rpm 6.0/11,250
車体サイズ mm 2,010×685×1,105
車両重量 kg 187
燃料タンク容量 L 18
使用燃料 無鉛プレミアム(ハイオク)

 

SSの人気の低迷と生産終了

出典 http://www.honda.co.jp/ 最終型CBR600RR

最終型となるPC40後期モデルは、2013年に販売開始されました。最大の特徴は、カウルの形状の見直しで、Cd値(空気抵抗係数)が大幅に改善されたことです。他には、ビックピストンフォークの採用など、足回りが強化されています。

しかし、600ccのSSブームの終焉と共に、小規模な改良しか施されなくなったCBR600RRの販売台数は、2007年中期の年間1500台と比較して300台程度にまで減少していました。

カウル形状が改善されたのですが、形はPC40中期の方が好みです。しかし、中古で購入するなら年式が新しく、色々なところが熟成しているPC40後期が一番おすすめです。

国内では、2016年に生産終了しています。後継は、2014年から復活した新しいFコンセプトのCBR650Fです。ツーリングユースにも対応した650Fは、600RRと違い幅の広い用途にも使いやすいバイクです。

CBR600RRは、Moto2にエンジンサプライヤーとして供給するためと、WSS向けに2017年まで生産されていました。しかし、ユーロ4(排気ガス規制)に適合しないヨーロッパでの販売も終了し、残りはアメリカでの販売のみとなっています。

PC40前期のCBR600RR センターアップマフラーがカッコいい!

2000年代初めから、2010年頃までの600SSは、峠やレースのスタンダードでした。ブームが過ぎ去った今、600SSの姿は見かけなくなっていますが、軽くて扱いやすいCBR600RRのことは記憶に残っています。

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