VFR800F 1

ホンダ VFR800Fは唯一無二のミドルクラスV4ツアラー

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ホンダの現在のラインナップで、V4エンジンのフルカウルバイクといえば、VFR800Fです。エンジンが同じで、クロスオーバースタイルのVFR800Xというバイクや、2,000万円以上のRC213V-SというMotoGPマシンをそのまま公道仕様にしたバイクもあります。


ホンダといえばV4エンジン

VFR800Fのフルカウルで800ccという排気量は充分魅力的なパッケージです。VFR1200Fという2016年まで販売されていたモデルがありましたが、268kgと重く、大きいバイクでした。

基本的にV4エンジンのメリットとは、高回転での振動が少なく、滑らかに回ることと、コンパクトに設計できることです。デメリットは、直列4気筒エンジンと比較して構造が複雑になること、不等間隔燃焼により、音にばらつきが出ることです(好みの問題でもありますが)。

もったいないのは排気量です。800cc(781cc)の場合、フェリー料金が750cc未満のバイクより上がってしまうのです。32cc少なかったら、かつてのようにVFR750Fとして、国内でも売れたと思います。

海外市場の方が需要の高いミドルクラスバイクですので、排気量は800ccでも問題ないのでしょう。国内に800ccのフルカウルバイクがあるだけでもありがたいのかもしれません。

VFR栄光の歴史

VFR750F 1

名機 VFR750F

水冷V型4気筒のパイオニア、VF750の後継モデルがVFRです。VFRは、400ccと750ccという国内市場に適した排気量のV4エンジンをそれぞれ搭載し、人気のあったマシンです。

1986年から登場したVFR750Fにとって有利なのは、当時のTT-F1マシンのホモロゲーションが、750ccだった点につきます。レースのワークスマシンであるRVF750の公道バージョンが、VFRだったわけです。レプリカブームまっただ中だったので、教習所で取得できる中型2輪(当時の普通2輪)のVFR400はよく売れました。

直列4気筒エンジンのCBRと、V4のVFRという2種類のマシンが400ccのレーサーレプリカとしてラインナップされていました。ホンダの4気筒レプリカは人気があり、VFRはどちらかというとレースに直結しているイメージのマシンでした。

1994年には、RVF400(ホモロゲ用として750も生産された)として公道走行用のスペシャルなマシンが登場します。しかし、ネイキッドブームと国内市場の縮小により、フルカウルの400ccのV4マシンは1990年代後半を最後に生産されなくなります。


一方で、VFR750Fは1990年にRC36型へとフルモデルチェンジします。このモデル以降のVFRシリーズは、ツアラーとしての性格が強く、レプリカマシンの面影は残っていません。

そして、1998年からはVFRとして800ccに排気量が拡大されます。2002年にモデルチェンジされた2型(後期型)が販売されます。2型は結構とがった形をしていました。余談ではありますが、2型の中古もNCを購入するまで候補にしていました(大汗)。

2008年にVFRは販売終了となり、2010年からVFR1200Fとして復活します。その後、排気量を再び800ccにしたVFR800Fが2014年から販売開始されました。

ライバルは不在?特殊なV4ミドルは唯一無二の存在!

VFR800

旧型VFR800の後期モデル

ホンダしか作っていないミドルクラスバイクのV4ツアラーという存在には、これといったライバルがいません。比較対象となるバイクがないため、余計に目立たなくなってしまっています。

見方を変えれば、唯一無二の存在であるということです。排気量やスペックは異なりますが、ホンダのV4はMotoGPでRC213Vが採用しているエンジン形式でもあります。

VFR800F(現行モデル)スペック

VFR800F
最高出力(kW[PS]/rpm) 79[107]/10,250
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) 77[7.9]/8,500
車体サイズ(mm) 2,140×750×1,210
車両重量(kg) 243
燃料タンク容量(L) 21
使用燃料 ハイオク

こうしてスペックだけ見ても、バランスのいいツアラーであることが解ります。車重は243kgとそこそこ重いですが、最高出力107PS、最大トルクが7.9kgf・mもありますので走り出せば問題はないでしょう。

ハイパーVTEC(可変バルブタイミング)により、吹けあがりのいいエンジンに、しっかりとした足回りで峠や高速道路を快適に走られそうです。気になるのは、V4エンジンの重心の高さです。燃料タンクが21Lもあり、満タン時には立ちゴケしやすいようです。

LEDヘッドライトに、トラクション・コントロールなど最新装備が付いています。グリップヒーターや、ETCなども標準装備されて、価格は138万円です。豪華な装備と個性のあるV4エンジン、丁度いいパッケージなど、お金があったら欲しいバイクです。

※2018年11月追記

ホンダドリーム藤井寺にて、VFR800Fの実車を見ました!思った以上にコンパクトでカッコいいバイクです。新色のシルバーも渋いですね。

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