SGT

Rock名盤解説 最終回:名盤解説の総括

Pocket

Rock名盤解説、最終回は、このシリーズを振り返ってみようと思います。2012年6月に以前のブログK.T Harmonixで1枚目のザ・バンドのMusic From Big Pinkを紹介しました。

Rockの歴史

60年代から20世紀末まで、各年代4枚ずつ紹介していくことは決めていました。10年ごとに区切って、4枚に限定するのは、色々と頭を悩ませる問題でした。

名盤というからには時代を代表するようなアルバムでないといけないわけです。最初の60年代編で書いていたことなのですが、名盤とは時代を変革するほどの影響力があること、アルバム自体の出来がいいことです。

4回目に紹介したビートルズのSGTが評価基準の中心です。後にも先にも、このアルバムを超えるほどの名盤はないだろうと思っています。2000年にレディオヘッドのKID Aが発表されると、ロックが主流でない時代になります。

必然的に20世紀最後の年の2000年が、ロックの名盤を紹介する区切りとなりました。21世紀になると、ロックが復権することは難しいのではないかと思っています。文化史的に50年というのは、大衆文化の寿命とされています。この50年を過ぎると、その文化は大衆のものではなくなるとよく言われます。

ロックは、1950年代のシカゴ・ブルースをベースに、爽快感のあるビートを取り入れ、発展していきました。チャック・ベリーや、リトル・リチャードが創始者となります。

黒人の始めたロックが、エルヴィス・プレスリーによって白人にも浸透していき、1960年代にビートルズや、ストーンズによって爆発的に発展します。

名盤が誕生したのは、1967年のビートルズのアルバム、Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Bandからです。このアルバムは、コンセプトアルバムという概念を始めてロックに持ち込み、多トラックによって音を重ねることを普遍化させました。

ロックは、産業化や、陳腐化に対抗するかのように発展していきました。1970年代ではパンクがあり、80年代ではアンダーグラウンドな層のバンドがこの流れに逆らうように新しい音楽を生み出そうとしてきました。

そして、90年代のイギリスでは60年代に回帰するかのようなガレージバンドが主流となり、アメリカではグランジが台頭しました。

しかし、どの年代の努力も60年代の超新星爆発のような黄金期の輝きを取り戻すことはありませんでした。ロックは50年経過して衰退していたのです。

産業化とマンネリ化による弊害

スティーヴィー・サラス 1

出典 https://www.amazon.co.jp/

ロックにとって1970年代が分水嶺だったのではないかと思います。レッド・ツェッペリンや、ディープ・パープルがハードロックを開拓し、発展させました。

ロックは、もはやヒッピーやマニアのものではなく、あらゆる大衆がそのターゲットとなっていったのです。売れるバンドがあればあるほど、都合の良かったレコードレーベルにより、産業としてロックは巨大化していきました。


その結果が、1980年代に起きた大衆との意識の乖離です。MTVなどの視覚的派手さや、巨大スタジアム向けの無駄に豪華なサウンドなど、ロックの本質から離れるようなバンドが大量に生まれたのです。

音楽的にもマンネリ化は避けられない問題でした。個性のあるバンドは出てきても、ベースであるロック自体に新しい要素がどんどん減少していったのです。

その結果、些細な見た目の違いで、メタルやスラッシュメタルになったり、思想的な意味合いだけでジャンルが作られました。これは、音楽メディアや、それを取り巻くオーディエンス側の問題が大きいです。

これからの音楽に必要なものとは?

レディオヘッド1

出典 https://www.amazon.co.jp/

90年代に入り、オルタナティブ・ロックやグランジの台頭で持ち直したかのように見えたロックですが、根本的な問題が残っていました。音のマンネリ化は、どのように個性を出しても深刻なところまできていたのです。

それに対して、キング・ダビーがダブを始めたのが、1960年代後期からです。1980年代のテクノや、ニュー・ウェーブなども忘れてはならないムーブメントです。

そして、1990年代にはエレクトロニカのグループが売れ始めていました。ケミカル・ブラザーズや、プロディジーは既に人気グループとなっていたのです。

そういった流れの中から、オウテカなどのエレクトロニカにレディオヘッドのトム・ヨークが影響を受け、生み出されたのが、KID AとAMNESIACの2枚のアルバムです。

ロックがいかに陳腐なものになってしまっていたのかを、他ならぬロックバンドが証明してしまったのです。50年という月日が、ロックというものを、従来のバンド形式に固定し硬直化していることを、誰も本質的な意味で理解していませんでした。

1960年代や、70年代にはすでに、今のEDMの原型は作られていました。ロックの元となったブルースも、1930年代のチャーリー・パットンやロバート・ジョンソンなどのデルタ・ブルースなくしては語れません。

21世紀の音楽は、ロックを経た時代の音楽が主流になるでしょう。30年経過してから、ロックをベースに新たな音楽が生まれる可能性はあります。今もロックを愛する一人として、これから斬新で、大衆の代弁をしてくれる新たな音楽の登場を心待ちにしています。

21世紀の音楽で重要なことは、大衆文化としてロックが優れたフォーマットであったこと、産業化の弊害がロックの寿命を縮めたことを学び生かすことです。

アメリカのトップ10チャートには、もはやロックバンドは入っていません。EDMや、DJがプロデュースした音楽が流行している状態です。それでもロックは、アメリカの球場や、クラブで聴けるのです。新鮮さはなくなりましたが、確実に文化として大衆の中に根付いています。これから生まれる新たな音楽は、ロックを原型としたものになるでしょう。

Rock名盤解説の記事はこちら

Rock名盤解説:復活のいきさつ

The Mars Volta:プログレの継承?これぞごった煮ROCK!

Rockの新シリーズ開始!

RocK名盤解説 File16:KID A RADIOHEAD

Rock名盤解説 File15:NEVERMIND NIRVANA

Rock名盤解説 File14:KULA SHAKER K

 

 

 

Rock名盤解説 最終回:名盤解説の総括」への4件のフィードバック

  1. ピンバック: RocK名盤解説 File16:KID A RADIOHEAD | K.T Dogear+

  2. ピンバック: Rock名盤解説 File15:NEVERMIND NIRVANA | K.T Dogear+

  3. ピンバック: Rockの新シリーズ開始! | K.T Dogear+

  4. ピンバック: Rock名盤解説:復活のいきさつ | K.T Dogear+

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です